イタリアのメローニ首相は4日、自身の政権が戦後最長記録を達成したことを受け、長期にわたる政治的安定がイタリアの国際的評価を高め、欧州連合(EU)内で債務問題などを理由として「監視される国」と見なされなくなったとの認識を示した。

政治が不安なことで有名なイタリアにおいて、メローニ氏率いる右派連立政権は2022年10月の発足以来の在任日数が1400日を超え、05年にシルビオ・ベルルスコーニ元首相が樹立した最長記録を更新した。

南部バーリで開かれた記念集会でメローニ氏は、政権の主要な成果を列挙した上で、過去80年間に68の政権が交代したイタリアに持続的な政治的安定をもたらしたこと自体が大きな実績だと強調した。

メローニ氏は「安定こそが、この国に私たちがもたらした最初の大きな改革だ。その安定のおかげで、イタリアは欧州で監視対象となる国ではなくなった」と支持者らに語った。

世界各地で紛争や経済的混乱が続く中でも、イタリアは近隣諸国と比べて安定した状況を維持している。例えば22年秋以降、フランスでは5人、英国では4人の首相が交代した。

メローニ氏は政治的安定によって市場がイタリアの財政運営や巨額の政府債務に対する信認を高め、その結果として国債の借り入れコスト抑制につながったと指摘。「公的財政を健全に保つことは制約を減らすことにつながる。財政を適切に管理している国は、自らの資金の使い道を決めることができる」と述べた。

専門家の多くも、メローニ政権の最大の成果はイタリア財政への信頼回復にあるとみている。一方で批判派からは、非効率な行政機構や医療、教育制度の抜本改革はほとんど進んでいないとの声が聞かれる。

また首相権限の強化を含む主要な制度改革が停滞しているほか、今年実施された司法制度改革を巡る政府支持の国民投票は有権者に否決された。

中道左派の野党は4日、政府が長年の課題解決に取り組んでいないと主張。元首相で「五つ星運動」を率いるジュゼッペ・コンテ氏は、低迷が続く経済成長を挙げて「4年間の不作為と停滞は誇るべき実績ではなく、むしろ問題を悪化させる要因だ」と述べた。

バーリでは、メローニ氏率いる「イタリアの同胞」が主催した集会に抗議するデモも行われた。来年には総選挙が予定されており、メローニ氏は引き続き連立与党を率いて選挙戦に臨む見通し。世論調査では、中道左派陣営の支持率がメローニ氏の与党連合をわずかに上回っている。与党連合支持者の一部が、移民や治安、文化的変化への懸念を取り込んだ極右勢力「フトゥーロ・ナツィオナーレ」に流れているためだ。

[ロイター]
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