Jayshree P Upadhyay Vivek Kumar M
[4日 ロイター] - インド取引所最大手のナショナル証券取引所(NSE)が4日、待望の新規株式公開(IPO)について規制当局の承認を受けた。21日に始まる週の上場を目指している。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。
今回のIPOは、ムケシュ・アンバニ氏率いるリライアンス・ジオと並び、インド史上最大級の案件の一つとなる可能性がある。ロイターの試算に基づくと、NSEの未公開株市場での評価額は約550億ドルに達しており、上場後は時価総額で国内上位10社に入る見通しだ。
NSEはインドの株価指数先物・オプション市場を支配しており、契約件数ベースで世界最大のデリバティブ取引所。インドの代表的株価指数「ニフティ50」 も運営している。
関係者によると、NSEは11日にブックビルディングを開始し、15日に想定価格帯を公表する公算が大きい。大手機関投資家との非公式協議では、インドの投資信託などが1株当たり約1800ルピーでの購入に前向きな姿勢を示しているとされる。正式な価格帯もこの水準に近い設定となる見通しだ。
1株1800ルピーで算出した場合、NSEの企業価値は約470億ドルとなる。
NSEはロイターのコメント要請に回答していない。
資産運用会社DRチョクシー・フィンサーブのデベン・チョクシー最高経営責任者(CEO)は「上場後のNSEは時価総額でインド上位10社に入る見込みで、市場から大きな関心を集めるだろう。予想株価収益率(PER)は約35倍となり、投資家には上場後の値上がり余地がある」との見方を示した。
足元でインドのIPO市場自体は再び活況を取り戻しつつある。今年前半は米国とイランの紛争の影響で資金調達活動が減速したが、7日からの週には同じ日に過去最多となる6社が新規上場する予定だ。
ただNSEの大型上場が投資家の資金流入を促すのか、あるいは投資案件間の競争を激化させるのかについては、見方が分かれている。
調査会社ケジリワル・リサーチ・アンド・インベストメント・サービシズ創業者のアルン・ケジリワル氏は「こうした時期にNSEが市場に登場することで、需給面の圧力が高まるのか、それとも和らぐのかは判断が難しい」と述べた。
今回のIPOは既存株主による売出しのみで構成されるため、NSE自体には調達資金は入らない。
NSEの上場計画は、コロケーションサービスやダークファイバー設備を巡る規制当局の調査などを背景に長年遅れていた。だが、今年6月17日に目論見書(ドラフト版)を提出して上場へ向けた動きが本格的に再開した。今回の規制当局による承認は、インド証券取引委員会(SEBI)との間で過去の法令順守問題で和解したことを受けた動きで、上場実現に向けた大きな障害が取り除かれた形となる。