長い歴史を通じて、月は未知の可能性と冒険の象徴であり続けてきた。しかし将来、月面での長期滞在が実現したとき、月面居住者は人類史上前例のない心理的実験の当事者になるのかもしれない。
月に恒久的な基地を築くことを目指すNASAの計画が今年に入って加速している。NASAはこの5月、2032年までに月面基地の建設を目指す「ムーンベース計画」の詳細を発表した。最終目標は、「月に居住して働く」こととされている。
神経科学などの専門家の話によると、月面での生活は、人々の思考や感情、他人との関わり方を大きく変える可能性がある。その結果、並外れた成長の機会と同時に、重大なリスクも生まれるという。
NASAの研究によっても、宇宙空間における孤立と閉鎖環境が認知機能や行動機能に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。
NASAは24年に学術誌フロンティアズ・イン・フィジオロジーに発表した論文で、国際宇宙ステーション(ISS)で6カ月間のミッションを経験した宇宙飛行士たちを対象にした研究の結果を報告している。それによると、認知能力はおおむね安定していたが、処理速度、注意力、作業記憶などのパフォーマンスが低下する時期があった。
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