Takahiko Wada
[さいたま市 27日 ロイター] - 日銀の氷見野良三副総裁は27日午後、埼玉県金融経済懇談会後の記者会見で、今後の利上げのペースやタイミングは「経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、検討していくということに尽きる」と強調した。市場では9月利上げの織り込みが進んでいるが、こうした状況にはコメントせず、「特定の会合で何をするかについて申し上げるのが適当とは思わない」と述べた。
氷見野副総裁は、展望リポートに書いたことが「私どもの判断基準」と話した。利上げのペースやタイミングの判断に当たり、7月の展望リポートでは中東情勢や人工知能(AI)関連需要の拡大、為替相場の変動の影響に加え、基調物価が2%を超えて上振れるリスクに注意していくことが記載されているが、氷見野副総裁はこの説明を繰り返した。
植田和男総裁は7月の決定会合後の記者会見で「物価情勢をにらみながら、このままでは金融環境が緩和的に過ぎると思えば、それは利上げのペースを速めるということも十分あり得る」と述べ、利上げペースを加速させる可能性に踏み込んだ。氷見野副総裁は、植田総裁と「同じ考えだ」と話す一方で、金融環境だけで判断するものではないとの認識を示した。
基調物価が2%に迫り、物価上振れリスクに注意する必要があると強調していることについて、「インフレ・ファイター」の度合いが高まったのかとの質問には、「必ずしも日銀の特性が変化したというより、物価の基調の状況をよく見ている上で注意すべき点が変わってきている」と説明した。
氷見野副総裁は7月展望リポート時点の認識と「大きく変化していない」とも述べた。4―6月期の実質国内総生産(GDP)は内需が弱めだったが、「経済の状況についての見方を変える必要はない」とした。