Gleb Bryanski Olga Popova
[モスクワ 25日 ロイター] - 世界最大の小麦輸出国のロシアは、穀物輸出の強化と農家の支援のためにさまざまな緊急措置を検討している。戦闘を繰り広げているウクライナからのドローン(無人機)攻撃によってアゾフ海および黒海を経由した穀物輸出が停止したことを受けた措置だ。
ロシア紙ベドモスチは穀物市場関係者の話として、農家が長年にわたって不満を漏らしていた穀物輸出関税を、少なくとも年末まで撤廃することを検討していると報じた。
農業省は声明で、黒海経由の輸送に対する脅威に対抗するため、穀物輸出の迂回ルートの確保に取り組む作業部会を設置したと表明。また生産者への補助金、融資期間の延長、余剰穀物を家畜飼料として活用する仕組み、鉄道輸送への補助金、さらに政府による穀物市場への介入についても検討していることを明らかにした。
アナリストらは、バルト海やカスピ海に面した穀物ターミナルを通じてロシア産穀物が輸出される可能性があると指摘している。
ロシアとウクライナが相手の港湾や船舶への攻撃を激化させていることで、両国の穀物ターミナルが閉鎖に追い込まれた。このため今は輸出のピークシーズンながら、荷主は積み荷の遅延やキャンセルを迫られている。
コンサルティング会社ソベコンによると、かつてはロシアの穀物輸出全体の7割を占めていた黒海およびアゾフ海の港湾を経由した出荷がほぼ停止している。
ロシア国内の小麦価格は、豊富な供給に加えて穀物輸出が困難なことから下落している。
2025年の穀物生産量がロシア最大だったスタヴロポリ地方のウラジミロフ知事は25日、政府に対して国内市場に介入するように要請した。ウラジミロフ氏は「当地方では豊作となったが、現在の買い取り価格は低く、生産コストをかろうじて賄える程度だ。これによって農業生産者の手足が縛られている」と訴えた。
ロシアのプーチン大統領は先週、ロシアが今シーズンに約6000万トンの穀物を輸出できるとの推計を発表した。ソベコンの予測によると、ロシアの穀物輸出量は7月に195万トンにとどまっていたが、8月には220万トンへ増加するとみられる。