Max Hunder

[キーウ 25日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領に先月更迭されたフェドロフ前国防相はロイターのインタビューに応じ、ウクライナはロシアとの戦争で徐々に劣勢になりつつあるとの認識を示した上で、戦況を好転させるために必要な重要な決断を下せる期間はあと数カ月しか残されていないと警告した。

フェドロフ氏は35歳。若手改革派として知られ、ウクライナではフェドロフ氏の更迭に抗議するデモが数週間にわたり続いた。24日に行われたインタビューで「今は将来の進路を決定づける転換点にあると思うが、われわれは徐々に、ゆっくりと負けつつあるように見える」と述べ、ウクライナ政府の公式見解とは一線を画した。同時に、ウクライナには「勝利するあらゆる可能性」がなお残されているとし、戦争を終結に導くための計画を早急に策定する必要があると述べた。

ロシアによる全面侵攻開始から4年半が経過する中、ウクライナにはロシアとの戦争に勝利するための包括的なビジョンが欠けており、革新を進められていないことが足かせになっていると指摘。根深い汚職や縁故主義に加え、政府機関の政治的独立性の欠如も国の発展の妨げになっているとし、「国家としての機能は本来の5%程度しか発揮できていない」と語った。

フェドロフ氏は、戦況を好転させるためには人工知能(AI)誘導の自律型ドローン(無人機)の開発のほか、低コストの迎撃ミサイルやウクライナ独自の弾道ミサイルの開発が重要になると強調。ウクライナのメーカーはすでにこうした技術の開発に取り組んでいるが、実戦配備後に効果を最大化するための一体的な戦略が必要になると指摘した。

その上で、敵の動きを探知する電子センサーを前線一帯に配置し、地上や空中のドローンを活用することで、人員の前線投入を最小限に抑える構想を提示。「ロシア軍を完全に阻止できる技術はすでに存在している。ただ、ビジョンが欠如しているため活用できていない」と述べた。

フェドロフ氏は自身が主導的な役割を果たしたとするウクライナ軍の今年に入ってからのドローン作戦についても言及。この作戦は、ロシアが占領するウクライナ南部の燃料補給網や軍事物流網を標的とするもので、前線のロシア軍に打撃を与えていると説明。ロシアがウクライナのこうした戦術への対抗策を確立させる前に、ロシアが占領するクリミア半島の孤立化を目指す機会はあと数カ月しかないと述べた。

フェドロフ氏は先週、ウクライナが統治の危機に直面しているとして戦時下での選挙実施を要請。ゼレンスキー大統領はこれに対し、ロシアとの戦闘が続く中で選挙を実施すれば国民が分断され、国が「破壊される」ことになると述べたほか、フェドロフ氏の発言の背景には外部勢力の働きかけがある可能性があるとの見方を示した。

フェドロフ氏はゼレンスキー氏のこうした見方を強く否定。戦時下での選挙実施には極めて大きな課題があるとの認識は示したものの、革新的な方法で解決策を見いだせるとの考えを示した。自身が大統領選に出馬するかについては、「現時点で言及するのは時期尚早」と述べるにとどめた。

フェドロフ氏は近く訪米を予定。訪米中に先進的な軍事技術分野への投資に重点を置く投資ファンドの資金調達を進めたい考えを示した。

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