[北京 24日 ロイター] - 中国政府は景気減速への対応として、地方政府のインフラ・産業開発計画向けの総額8000億元(1190億ドル)に上る資金支援制度の申請受け付けを開始した。2025年時点で5000億元だった規模を今年3月に8000億元に拡充することが決まっていたが、制度の本格稼働が遅れたことで、年内の景気下支え効果は限定的になる可能性があるとの声が出ている。
財通証券は20日付リポートで、申請から資金拠出まで少なくとも1カ月程度を要すると分析。そのため、この政策ツールが年内の資金需要や建設活動を押し上げる効果は限られるとの見方を示した。
国営紙の経済信息日報によると、実施ガイドラインは既に地方当局へ配布されており、各地では対象プロジェクトの取りまとめと中央政府への申請作業が進められている。インフラや戦略分野向けプロジェクトの資本金を供給し、民間資金や銀行融資を呼び込むことが目的だ。
中国の固定資産投資は26年1-7月に前年同期比6.7%減となった。ロイターはこれまでに、地方政府による資本支出に対する審査強化が投資減少の背景にあると報じている。当局は非効率なインフラ投資や産業の過剰生産能力、製造業の値下げ競争によるデフレ圧力を問題視してきた。
エコノミストらによると、地方債務抑制策の影響で適格案件が不足していたことに加え、年初の景気が比較的堅調だったため、同ツールは上半期には活用されなかった。
財通証券はこの制度について、新たな投資需要を創出するというよりも、既に計画段階にある、あるいは事前承認を取得済みのプロジェクトに資本金を供給し、資金調達制約を緩和することを目指していると説明した。
また同証券は、8000億元のプログラムにより、レバレッジ倍率を約13倍と仮定した場合、総額約10兆元のプロジェクト投資を支援できると試算。一方で、実施の遅れや採算性の高い案件不足を踏まえると、年内に実際に押し上げられる投資額は約2兆元にとどまり、初期資金の2-3倍程度になると付け加えた。
ゴールドマン・サックスのアナリストチームは、この制度が第3・四半期から実施される想定ならば、国内総生産(GDP)成長率を0.5ポイント押し上げると推計し、その効果は主に26年後半から27年前半にかけて表れるとしている。