<日本の財政収支は大きく改善している。この2年半、長期金利が上昇してきたことはどんな意味を持つのか>

8月18日、日本の10年物国債金利は3%の大台に接近するところまで上昇した。同日の日本経済新聞では、日本の財政悪化への懸念や日本銀行の利上げペースの加速が金利上昇要因として挙げられている。

7月7日のコラム「長期金利上昇は『ショック』なのか? 高市政権『骨太の方針』(原案)が経済再生の第一歩になる理由」では、「骨太ショック」で長期金利が上昇したわけではないとの筆者の見方を述べた。

高市政権による「責任ある積極財政」は選挙公約であって新たな材料ではないし、「強い経済」と「財政の持続性」が骨太方針に反映されることは必然である。

「責任ある積極財政」と「放漫財政」は明確に異なるはずだが、それが理解できない記者による偏向記事が散見されていると筆者はみている。8月に入って続いている金利上昇も、「財政への懸念」が引き起こしたと書かれているが、高市政権を批判するがために、事実とは程遠い相場解説が行われているのが実情だろう。

実際、先日のコラムで紹介したとおり、日本の財政収支は先進諸国の中でも大きく改善しており、財政政策を機動的に発動する余地は大きい。こうした中、高市政権が緊縮傾向に偏った財政政策の方針を転換することは、日本経済の正常化実現を後押しする政策と位置付けられる。

来年度の予算策定において各省庁からの予算要求が増えているが、名目GDPの拡大に応じて歳出全体も増やす方針に沿った動きである。経済効果が低い歳出拡大が容認されないのは言うまでもないが、経済成長や安全保障のために必要な歳出は拡大できる。

過去数年のインフレ定着によって財政収支が改善しており、外為特会(外国為替資金特別会計)などの公的資産を有効活用できることから、政治判断で財政政策を拡張に転じることが「責任ある積極財政」であると筆者は考えている。

日銀の利上げに対する投資家の期待の変化
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