動物や人間に寄生する「新世界ラセンウジバエ」の影響で、保護施設で暮らす何千頭もの犬や猫に、殺処分の危機が差し迫っている。

ラセンウジバエはメキシコから国境を越え、アメリカで60年ぶりに再燃した。連邦当局や州当局は、感染拡大を食い止めるために動物の移動を規制。その結果、テキサス州の動物保護団体やシェルターに想定外の影響が及んだ。

アメリカのシェルターは、飼い主のいない犬や猫を過密状態の施設から国内の別の施設へ移すことで、里親探しを支援してきた。しかし移動規制に阻まれて、保護団体が長い間頼みにしてきたこの手段を使うことが難しくなった。

ラセンウジバエの幼虫は、家畜や野生動物、ペット、稀には人間の組織に潜り込んで生きた肉を餌にする。寄生された傷口は痛みを伴い、治療せずに放置すれば死に至ることもある。

アメリカ農務省はラセンウジバエを家畜や野生生物を脅かす重大な脅威と位置付け、不妊化したオスを集中的に放つ対策を講じて何十年も前に根絶させた。

しかしこのハエが再燃したことで、畜産業に推定1130億ドル以上の損害が及ぶ可能性が指摘され、当局が警戒を強めている。

連邦当局はアメリカとメキシコの国境を越えた畜牛の移動を制限した。

ラセンウジバエの幼虫は、犬や猫を含めてあらゆる哺乳類に寄生する。ハエは開いた傷口に卵を産みつけることから、傷口や手術痕、皮膚の損傷がある動物は特に危険が大きい。今回、アメリカでは犬の症例も複数確認されている。

発生地域からのペットの移動を通じて感染が拡大する恐れもある。このため各州は、発生が確認された地域からの動物の移動に制限をかけており、その影響で保護団体やシェルターがこれまでのように州を越えて動物を移動させることが難しくなった。

テキサス州の施設が窮地に陥った理由
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