[21日 ロイター] - 英国の7月の財政収支は、予想に反して赤字となった。自己申告による所得税収が同月として過去最高になったものの、国債の利払いやインフレに伴う政府支出の増加で赤字になった。バーナム政権が直面する財政面の制約を浮き彫りにした。
英国立統計局(ONS)が発表した7月の公的部門純借入額(財政赤字)は18億ポンド(25億ドル)。ロイターのエコノミスト調査では収支均衡が予想されていた。予算責任局(OBR)の予測は5億ポンドの黒字で、予想通りならばコロナ禍の前以降で7月としては初の黒字となるはずだった。
ONSによると、7月は中央政府の社会保障関連費が前年比20億ポンド増加し、人件費を含む財・サービス支出も12億ポンド増加した。
債務利払い費は7億ポンド増。ONSは、インフレ動向や国債利払い時期を反映し、9月は大幅に増加するとの見込みを示した。
今年度(2026年4─27年3月)の開始以来、4カ月の赤字は567億ポンド。6月の赤字が160億ポンドから128億ポンドに大幅に下方修正されたものの、OBRの予測(544億ポンド)を上回った。
税務・コンサルティング会社RSMのチーフエコノミスト、トーマス・ピュー氏は、支出の増加が続き、財政赤字は年内、OBRの予測を上回ると予想。国債利回りの上昇、インフレ高止まり、政権の財政拡張路線を踏まえ、今年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は予想の3.6%への低下でなく、4%超の高水準にとどまるとの見方を示した。
現行の財政ルールで29/30年度までに均衡させる必要がある経常財政赤字は、4─7月期で347億ポンドで、OBRの予測(367億ポンド)を下回った。
10月の予算案編成を準備しているヒーリー財務相は「財政規律は英国の経済的安定と国家安全保障の基盤だ。われわれは世界的な不確実性に対するバッファー(緩衝)を確保し、財政ルールの達成にコミットしている」と述べた。