Ernest Scheyder Jarrett Renshaw
[20日 ロイター] - 米エネルギー省は国内でリチウムやコバルトなどの鉱物・電池関連事業を進める7社に対し、総額5億ドルの補助金を交付する。ロイターが確認した文書で明らかになった。米国の鉱物採掘・加工能力の強化を目指す。
エネルギー省は電池材料加工・電池製造プログラムの第3次公募で数百件の申請を受けた。
独BMWが出資するライラック・ソリューションズに1億ドルを交付する。同社はユタ州のグレートソルト湖にリチウム直接抽出・加工施設を建設する。2028年までに施設を稼働させ、年間5000トンのリチウムを生産する計画だ。
アイダホ州の大規模なコバルト鉱床を保有するジャービスにも1億ドルを交付する。電池や電子機器、各種兵器に使われるコバルトについて、国内唯一の精製施設を建設する。
同社は市場価格の低迷で事前調整型の破産手続きに入り、昨年非公開化された。エネルギー省のロバートソン次官補は、それでもコバルトは幅広い業界で需要があり、資金供与は国内供給の拡大が目的だと説明した。将来的には同施設で深海の鉱物団塊を処理できる可能性があると述べた。
大手資源商社トラフィグラが出資する電池リサイクル企業エヌス・サイクルは、ブラックマスと呼ばれる電池用金属くずの処理施設向けに1億ドルを受け取る。
トランプ政権は今月、再利用可能な鉱物を含むブラックマスの輸出を禁止した。ロバートソン氏は、今回の資金供与は輸出禁止措置とは無関係だとした上で、国内で電池とブラックマスを完全にリサイクル・処理する体制を構築すると述べた。
エネルギー省はこのほか、電池の正極部品を再処理するプリンストン・ニューエナジー、電池電解液向け化学品を生産するアルカナム・ベンチャーズ、黒鉛の代わりにシリコンを使った電池負極を開発するコアシェル・テクノロジーズに、それぞれ5000万ドルを交付する。