Jaspreet Kalra

[ムンバイ 19日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行、RBI)が19日公開した今月5日の金融政策委員会の議事要旨で、複数のメンバーが今後利上げする可能性を示唆していたことが明らかになった。

委員会では主要政策金利のレポ金利を5.25%に据え置き、政策スタンスも「中立」を維持した。一方で供給を原因とするインフレが経済全体に波及している可能性を示す兆候を注視するとの姿勢を示していた。

7月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は4.45%と、中銀の許容レンジである2─6%の範囲内に⁠十分収まっている。中銀は4%を中期目標とする。

議事要旨によると、中銀のマルホトラ総裁は今のところインフレが全般に波及する兆候は限られるとしつつ、総合インフレ率は「これまで見られた緩やかな水準」から正常化しつつあるようだと指摘。その上で「食品、燃料と他の投入価格の上昇が、インフレの広範な上昇を招いたり、インフレ期待がつなぎ留められなくなったりするリスクが続いているため、警戒を怠ってはならない。こうしたリスクが顕在化する兆候が見られた場合には、金融引き締めが必要になる可能性がある」と言及した。

これに対しグプタ副総裁は追加金融緩和の余地はなく、むしろ「(2026会計)年度中に利上げする根拠が生じる可能性がある」と発言。ただ現時点では世界情勢や天候リスクに起因する不確実性が続いているため「最善の対応策は、もう少し様子を見ることだろう」と話した。

中銀は今年に入ってから主要政策金利を据え置いている。これはエネルギー価格高騰や、米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東での紛争に起因する為替変動が引き起こしたインフレに対応するため、金融引き締めを実施したインドネシアやフィリピンなどとは一線を画している。

中銀は前回委員会で、26会計年度の平均インフレ率予測を5%とし、従来見通しの5.1%から下方修正した。26会計年度の成長率は6.7%になると予想し、従来見通しから上方修正した。

金融政策委員会は外部委員3人を含む6人で構成される。外部委員のラム・シン氏は「外部からのショックが悪化したり、二次的な価格影響が広範囲に波及したりする場合は、マクロ経済の安定性を守るために迅速に政策を調整できるべきだ」との考えを示した。

中東での紛争を背景に原油価格は今月に入って再び上昇し、直近では1バレル当たり91ドル前後と3週間ぶりの高値圏にある。インドは原油消費量のうち9割近くを輸入に依存し、主要国の中で原油価格のショックに対して最も脆弱な国の1つとなっている。

外部委員のサウガタ・バタチャリヤ氏は基礎的なインフレ率の正常化が見込まれる中で、主要政策金利を調整するのに適切な時期を見極めるためには、経済成長とインフレ率の相互関係に細心の注意を払う必要があると訴えた。

両外部委員は、経済全体の貯蓄や投資の意思決定に影響を与えるインフレ調整後の金利である実質金利の水準を注視することが必要だと強調した。

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