Juveria Tabassum Nicholas P. Brown
[19日 ロイター] - 米ディスカウントストア大手ターゲットは、商品価格の引き下げや品ぞろえ刷新の効果を受け、今年2回目の通期売上高伸び率見通し上方修正を行った。第2・四半期(5-7月)利益は関税還付による約10億ドルによって大きく押し上げられた。
最新の通期売上高伸び率見通しは前年比約5%、従来は約4%を見込んでいた。
第2・四半期の既存店売上高は前年同期比3.8%増となり、市場予想の2.5%増を上回った。モーニングスターのブレット・ハスライン氏は、価格戦略や商品構成、店舗体験を安定して伸ばせるかが今回の決算の重要な試金石になると指摘していた。売上高の伸びは来店客数の3.6%増加と、デジタル既存店売上高の8.7%増がけん引。同日配送サービスの利用拡大が寄与したが、1回当たりの購入単価はほぼ横ばいだった。
関税関連の1株当たり利益は1.65ドル。これを除いたベースでも、第2・四半期の1株利益は2.46ドルとなり、市場予想の2.33ドルを超えた。粗利益率は前年同期比約1ポイント上昇し、33.7%となった。経営陣によると、今回の還付金は申請額の大部分に相当するが、今後も追加還付が見込まれている。
好調な業績は3四半期連続。新たに最高経営責任者(CEO)に就任したマイケル・フィデルケ氏が進める経営再建策が、年末商戦を前に成果を挙げ始めていることを示した。一方で燃料価格の高止まりは家計の重荷となっている。
フィデルケ氏はアナリスト向け説明会で「再建には時間がかかる」と述べ、衣料品やホーム用品など一部カテゴリーの成長は限定的だったと明かした上で「改善を始めた分野では、顧客の反応に前向きな兆しが見えている」と語った。経営陣は新学期商戦が好調な滑り出しとなったことも強調した。
リーダム・キャピタル・マーケッツのチーフ市場ストラテジスト、ジェイ・ウッズ氏は「これからも消費者が底堅さを維持し、ブランドへの忠誠心を保つかどうかが注目されるが、現時点でフィデルケ氏はあらゆる面で成果を上げている」と評価した。
フィデルケ氏は、店舗在庫の充実や、ベビー用品、健康・ウェルネス関連商品など重点分野での商品拡充を進めている。同社は過去1年間で1万点超の商品を値下げした。学用品の約95%を前年より低価格に設定し、在庫水準も改善したという。
ターゲットは3月、顧客離れを招いていた商品政策の立て直しに向け、従来表明していた40億ドルに加え、さらに20億ドルを追加投資すると発表していた。若年ファミリー層獲得に向けた取り組みも継続しているほか、生鮮食品やスナック売り場を拡充。生活必需品への支出を重視する消費者を取り込むため、食料品分野での存在感向上を目指す。
ロイターが入手したユーロモニター・インターナショナルのデータによると、2025年末時点の米食料品市場シェアでターゲットは約5%を占め、ウォルマート、コストコ、クローガーに次ぐ4位だった。
ウォルマートは低価格戦略や利益率の高い広告事業を背景に景気変動への耐性を持つが、ターゲットの利益率は小売り販売への依存度が高い。このため社会問題や景気動向、経営上の課題などによる顧客離れが業績に大きな影響を与えやすい。ハスライン氏は、消費者の節約志向が強まる中で、価格設定や店舗運営などあらゆる面での着実な実行が重要だと指摘。「少しでも対応を誤れば、顧客の財布のシェアを失うリスクがある」と警告した。
ターゲットは調整後ベースの通期1株利益見通しの中間値を0.75ドル引き上げた。5月時点では、1株利益見通しを7.50-8.50ドルのレンジの上限近辺と予想していた。