中国人と日本アニメの出会いは、「映画祭」から始まった。1979年、北京などで開催された「日本映画週間」でアニメーション映画『龍の子太郎』が上映された。
当時の中国は改革開放が始まったばかりで、海外文化との接触はまだ限られていた。多くの観客を驚かせたのは、日本アニメが描く大胆な身体表現、そして子供向けでありながらどこか生々しい表現だった。『龍の子太郎』は、その後の日本アニメ受容の扉を開いた作品だ。
80年、中国中央テレビが『鉄腕アトム』の放送を開始する。63年制作の白黒版だ。『鉄腕アトム』は「毎週決まった時間にテレビの前でアニメ放送を待つ」という新しい生活リズムを中国にもたらした。
その後、中国語に吹き替えられ放送される海外アニメは、「訳制動画片(イーチートンホアピェン)」という一つのジャンルを形成していく。『一休さん』『聖闘士星矢』『ドラえもん』などが放送され、中国の80年代生まれの世代に大きな影響を与えた。
この時代、日本アニメは「特別な存在」だった。隣国でありながら、未知の生活、感情、表現を運んでくるものだった。
次のページ