アルツハイマー病などの認知症患者が増え続ける中で、高齢者の多くが脳の健康を守る方法を模索している。ある神経生理学者は、脳にとっての効果が際立って高いエクササイズが一つあると語った。
「これからの人生でたった一つしかエクササイズができないとしたら、脳を守るためにどれを選ぶ?」 神経生理学者のルイーザ・ニコラは、ポッドキャスト番組「The Diary of a CEO」の中でそう問いかけられた。インスタグラムのプロフィール(@louisanicola)によると、ニコラは「アルツハイマー病を終わらせること」を使命としている。
ニコラの答えは「デッドリフト」だった。
デッドリフトはほぼ全身を使うことができる運動だとニコラは説き、「正しくやれば、デッドリフトは体のほぼ全筋肉を使うことができる」と指摘。脊柱起立筋(骨盤から頭蓋骨の付け根まで伸びる背中の深層筋)、臀筋、大腿四頭筋、前鋸筋(胸の側面にある筋肉)、ふくらはぎの筋肉などを挙げ、これほど多くの筋肉を同時に動員するデッドリフトの動きは、バーベルスクワットに匹敵すると語った。
重い重量を持ち上げるほど、脳にかかる負荷は大きくなるとニコラは言う。「男性にも女性にも重い重量を持ち上げてほしい。脳を不動産のようなものと考えると、脳内には重い重量を持ち上げるために確保された土地がある」
重い物を動かすためには神経系の働きを活性化させる必要があることから、結果的に「神経ドライブ」が強まって脳のためになるとニコラは考えている。
認知症に対する不安は世界中で強まっている。専門家は治療法や予防法を模索しているが、健康的に年を取って認知症リスクを減らすために変えられる生活習慣の中で、体を動かすことは最も重要な要素の一つとする認識が高まっている。
ただし本誌の取材に応じた複数の専門家は、デッドリフトが脳の健康のためになることは認めながらも、一つだけでアルツハイマー病を予防できる効果が実証された運動は存在しないと強調した。