[ワシントン 18日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)は18日、暗号資産(仮想通貨)に関する新たな規制枠組み案を公表した。トランプ政権下で業界が長年求めてきた暗号資産向けの独自ルール整備へ初の大きな一歩となる。
提案では、一定の暗号資産関連企業や発行案件を米証券法の適用対象から除外。これにより暗号資産企業によるトークン発行や資金調達が容易になるとみられる。提案が現行案のまま成立した場合、暗号資産企業は4年間で最大500万ドル相当のトークンを発行できる一度限りの適用除外を利用できる。12カ月ごとに最大7500万ドル規模の発行も認められる。ただし、発行体には財務諸表の開示や定期報告義務が課される。またいずれの適用除外制度においても、発行体は投資家に対して一定の情報開示を行う必要がある。
一方提案には、一定の条件を満たした暗号資産を「投資契約」とみなさないセーフハーバー(免責措置)も盛り込まれた。
SECのアトキンス委員長は声明で「暗号資産の起業家や市場参加者に対し、連邦証券法の下で資本を調達するための明確な道筋を提供することを目指している」と述べた。
選挙期間中に暗号資産業界から資金支援を受け、自身の家族も暗号資産関連事業で利益を得ているトランプ大統領は、第2次政権で同分野の規制改革を優先課題に掲げている。SECは与党共和党主導の下で暗号資産業界に対する取り締まり姿勢を転換。昨年には厳格な暗号資産会計指針を撤回したほか、コインベースやバイナンスなどに対する規則違反の訴訟も取り下げた。
暗号資産業界は長年、多くの暗号資産トークンは証券ではなく商品(コモディティー)に近い性質を持つため、原則としてSECの規制対象とすべきではないと訴えてきた。アトキンス氏もこの立場に理解を示している。
ブロックチェーン協会のサマー・マーシンガー最高経営責任者(CEO)は声明で「米国のデジタル資産市場が長年必要としてきた、目的に適した明確なルールに向けた重要な一歩だ」と評価した。業界団体デジタル・チェンバーのコーディ・カーボーンCEOも提案を歓迎して「消費者とデジタル資産業界が米国内で成長できるようSECと協力していく」と述べた。
暗号資産業界は近年、法的な位置付けの明確化を求めて関連法案成立に向けて数億ドル規模の資金を投じてきた。だがその取り組みは上院で停滞しており、SECが先行する形で対応に乗り出した形だ。
今回の提案は短期的には業界の法的基盤強化につながる可能性がある。ただロイターは、議会が制定する法律による裏付けがない場合、将来の政権がSECの規則を撤回または強化する可能性を多くの業界幹部が懸念していると報じた。
SECによると、提案は米官報への掲載後60日間の意見公募を経て、最終的な制度化の可否が判断される。