新兵が50万人いたとして何が得られるか

ウクライナの情報当局の推計によると、ロシアで7月上旬までに入隊契約した志願兵は約19万5000人で、年間目標の半数にも満たない。たとえ新兵が50万人いたとしても、何が得られるのだろうか。

防衛線の「穴埋め」要員にする、人命と引き換えにほんの少し支配地域を広げる、ウクライナに流血の秋をもたらすといったことは可能だろう。だが首都キーウを制圧したり、プーチン念願の完勝を果たしたりといったことは望めない。政治的な代償も伴う。ハーディに言わせると「お先真っ暗」と認めることに等しい。

ウクライナ侵攻に踏み切った2022年の動員令のように、社会不安を招きかねないのだ。当時は数万人のロシア人男性が軍隊に招集されまいとジョージア、カザフスタン、モンゴルなど隣国へ逃れた。

ロシア側は真っ向から噂を否定する。強硬派のドミトリー・メドベージェフ前大統領は「敵が流した嘘」と一蹴した。今年の前半には約20万人も志願したと述べている。

とはいえ、ゼレンスキーは当然、西側の支援を求めるために50万増派の数字を振りかざす。数字のインパクトが大きいほど、制裁追加や防空支援、精密兵器の供与継続が必要だという主張の説得力が増すからだ。

増員計画でロシアが得るものは、戦争の継続であって勝利ではない。戦争がどのくらい長引くのか。それはロシア兵の増員数ではなく、欧米諸国が武器供与等を続ける意欲に懸かっている。
 

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