Mark Trevelyan
[ロンドン 17日 ロイター] - ロシアでウクライナ侵攻に反対する改革派野党ヤブロコのレフ・シュロスベルグ副党首に対し、ロシア西部プスコフの裁判所は17日、ウクライナ侵攻を批判したとして、流刑地の刑務所で服役する禁錮11年1カ月の判決を言い渡した。
シュロスベルグ氏は、ロシア軍の信用を失墜させたことや、軍に関する虚偽情報を拡散したことなどの罪に問われていた。
これに対してシュロスベルグ氏は判決前の最終陳述で無罪を主張して「政治裁判の犠牲者だ」と訴えた上で、開戦から4年半が経過したウクライナ戦争の即時停戦を改めて求めていた。
今回の判決に先立ちロシア最高裁判所が10日、ヤブロコに対し来月実施される議会選挙への参加を認めない判断を示しており、最高裁は17日にこの決定に対する異議申し立ても棄却した。
ヤブロコは登録政党として唯一、戦争終結を公然と訴えている政党で、議会選挙を前に当局から強い圧力を受けてきた。一定規模の反戦票が集まれば、プーチン大統領の政権にとって政治的な打撃となる可能性があった。
シュロスベルグ氏は最終陳述で戦争を厳しく批判。「この期間に数え切れないほど多くの人々の命が失われた。いずれ犠牲者数の全容と氏名が明らかになれば、国民はその殉難者の一覧に震撼するだろう。軍人墓地を含む国内の墓地は、産科施設や幼稚園、学校よりもはるかに速いペースで増えている」と指摘した。
独立系メディア「メディアゾーナ」と英BBCロシア語版は、公表資料に基づき、ロシア軍戦死者として少なくとも23万9354人の氏名を確認したとしている。また死亡者の相続記録などに基づいた推計では、実際の死者数は35万人を超える可能性があるという。
ロシア、ウクライナの両国は最新の死傷者数を公表していない。
ロシアでは2022年2月のウクライナへの全面侵攻開始直後、軍の信用を失墜させたり、戦争に関する虚偽情報を意図的に流布したりした場合に長期刑を科す法律が制定された。これにより国内で戦争を公然と批判する声はほとんど聞かれなくなったとはいえ、シュロスベルグ氏のほか人権活動家オレグ・オルロフ氏や故アレクセイ・ナワリヌイ氏らは、有罪判決がほぼ確実とみられる裁判の場で、権威主義や弾圧への批判を続けてきた。
こうした発言は国営メディアでは報じられないものの、政府によるインターネット規制を回避するVPN(仮想プライベートネットワーク)などを利用すれば閲覧できる。
メディアゾーナによると、シュロスベルグ氏の最終陳述は裁判長によってたびたび中断され、事件の事実関係に関する説明に限定するよう求められたが、同氏は発言を継続した。
シュロスベルグ氏は昨年6月、討論動画の中でウクライナ戦争を「血塗られたチェスゲーム」と表現したことが問題視され、軍の信用失墜容疑で拘束された。その後テレグラムへの投稿再掲載を巡り、戦争に関する虚偽情報拡散容疑も追加された。
ヤブロコのマクシム・クルグロフ副代表も今年6月、軍に関する虚偽情報を流布したとして有罪判決を受け、禁錮7年が言い渡されている。