[フランクフルト/ブリュッセル 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相に相当)は、ロシアに対する制裁を今後数カ月で大幅に拡大する方針を明らかにした。
ドイツ紙ウェルトに対し「EUの制裁はすでにロシアに大きな打撃を与え、ロシアの戦争遂行能力から1兆ユーロ(1兆1600億ドル)超を奪ってきた。秋には、紛争開始以来最も広範囲に及ぶ制裁指定を提案する」と指摘。その上で「採択されれば、制裁対象となるロシアの団体の総数は直ちに3分の1増加する。ロシアが戦争を終わらせるまで、圧力を強め続けなければならない」と語った。
新たな制裁パッケージの時期や詳細については明らかにしなかったが、EU外交筋によると、欧州対外行動局(EEAS)はロシアを拠点とする約1600の個人・団体を対象とする案を提案する見通し。ロシアの軍産複合体に焦点を当てている。
指定には資産凍結に加え、渡航禁止や取引禁止も含まれるという。EUはすでに約3000の個人・企業を制裁対象に指定している。
外交筋によると、EEASは9月上旬にEU加盟国に新たなリストを提示、10月の採択を目指す。採択を迅速化するため、指定には欧州委員会の所管である部門別措置は伴わない見込みだ。
EUの制裁は全会一致での承認が必要。部門別措置と全面的指定を組み合わせた従来型のロシア制裁パッケージは、対立で長期にわたり難航することが多かった。7月に承認された第21弾制裁を巡ってはロシア産液化天然ガス(LNG)の輸送禁止案を巡ってギリシャが問題を提起した。21弾ではロシアの銀行部門と暗号資産(仮想通貨)ネットワークが主な対象となった。
EEASはまた、人権侵害の枠組みの下で、ウクライナの子ども移送に関与した対象についても9月にさらなる指定を提案する見通し。秋にはこの後、サイバー攻撃や偽情報キャンペーンといったロシアのハイブリッド活動に関連する指定も追加する見込みだ。