Suzanne McGee Akash Sriram Anirban Sen
[プロビデンス(米ロードアイランド州) 14日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)に提出された第2・四半期の「大量保有株式報告書(フォーム13)」によると、機関投資家はこの四半期に半導体、人工知能(AI)インフラ、大型ハイテク株など主要市場セグメントへの投資をやや縮小した。ただ大規模な売り越しや買い越しは見られなかった。
ロイターが年金基金やヘッジファンド、資産運用会社など6371機関のフォーム13を分析したところ、保有株を増やした投資家数と減らした投資家数の差は小幅にとどまったが、多くの分野で売り手がやや上回った。
マイクロソフト、メタ・プラットフォームズなどで構成される超大型7銘柄(マグニフィセント・セブン)については、約44%の届け出機関が保有比率を引き下げた一方、42%が新規購入または買い増しを実施した。残る投資家は持ち分に変更がなかった。
分析対象は6月30日時点の保有状況で、SECのウェブサイトに14日午後までに提出された書類に基づいている。
投資家は売買理由を開示していない。ただ市場関係者の間では、今回のデータは、多くの機関投資家が既に十分なポジションを構築済みで大規模な行動に出ていないことを示す可能性があるとの見方が出ている。また最近の市場モメンタムの変化を説明する一因になり得るとの指摘もある。
ヘッジファンドのオニックスポイント・グローバル・マネジメント創業者のシャイア・ホセインザデ氏は「買い手と売り手がこれほど拮抗している状況から、市場にコンセンサスが存在しないことが読み取れる」と述べた。その上で、AI投資の規模自体に異論はないものの、最終的にどの企業が利益を獲得するかについて意見が分かれていると指摘した。
インタラクティブ・ブローカーズの市場戦略責任者を務めるスティーブ・ソスニック氏は、多くの大手機関投資家が既に保有上限近くまで積み増しており、リスク管理や投資方針上の制約を受けている可能性があると述べた。
ソスニック氏は「好調な決算を発表した企業の株価が、その後下落するケースがある理由の1つかもしれない。通常なら好材料を受けて買い増す大口投資家が、これ以上ポジションを増やせない状況にある」と分析した。
一方、半導体株に対しては依然として強気姿勢も見られた。届け出を行った機関投資家のうち48%が買い越しだったのに対し、売り越しは34.5%にとどまった。
アドビやデータドッグを含む主要ソフトウエア企業20社では、売り越しが28.2%、買い越しが26.3%と、ほぼ均衡した結果となった。
著名ヘッジファンドのタイガー・グローバル・マネジメントは、マイクロソフト、エヌビディア、メタなどマグニフィセント・セブン銘柄の保有を削減したほか、アルファベット株の保有株数を45.4%減らし、580万株とした。同ファンドは台湾積体電路製造(TSMC)株も削減。ソフトバンクグループも同様にTSMC株を減らした一方、タイガーはインテル株を買い増した。
こうした動きは一部ヘッジファンドにとって高い代償を伴った可能性がある。7月にはテクノロジー関連取引の巻き戻しが進み、運用成績を大きく圧迫した。JPモルガンは今月公表したリポートで、テクノロジー株への集中投資により、ヘッジファンドなどが利益確定のために持ち株を売却する際、従来の利益を確保することが難しくなったと述べた。
AI関連銘柄については、第2・四半期に買い増し傾向が見られた。これまでにフォーム13を提出した機関投資家の36%が、コアウィーブ、アリスタ・ネットワークス、ブロードコム などのAI関連企業を買い越していた。
マルチファミリーオフィスのアーレン・キャピタル・マネジメントでヘッジファンド投資を担当するブルーノ・シュネラー氏は「メモリー半導体からデータセンターまでのAI関連株は、第2・四半期においてファンダメンタルズ主導の成長ストーリーから、高レバレッジのモメンタム取引へと変化した」と解説した。
シュネラー氏は7月のAI関連株急落について「長期的なAI成長シナリオへの否定ではなく、レバレッジと不十分なリスク管理によって増幅された典型的な過熱取引の巻き戻しだった」と述べた。