Rodrigo Campos
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が11日発表したデータによると、新興国市場の債券と株式に対する外国人投資家の資金純流入額が7月に188億ドルとなった。2カ月続いた純流出に歯止めがかかった。株式からの資金流出が大幅に鈍化したことが背景。
6月は180億ドル、5月は252億ドルの純流出だった。
回復をけん引したのは引き続き債券で、7月には267億ドルを集めた。一方、株式は78億ドルの流出となった。ただ、株式の流出額は6月の461億ドルから大幅に鈍化した。
IIFのシニアエコノミスト、ジョナサン・フォーチュン氏は「株式の重しは6月の規模のごく一部にまで薄れた」と指摘。「アジア株式市場に集中していたストレスが債券に波及するのではなく、勢いを失いつつあることを示唆している」と述べた。
韓国と台湾を中心としたハイテク株からの資金流出を主な背景に、今年に入って株式と債券の資金フローに大きな乖離(かいり)が生じている。
新興国債券は7月までに2144億ドルの資金を集め、前年同期の1777億ドルから増加した一方、株式は860億ドルの資金を失い、前年同期の流出額90億ドルのほぼ10倍となった。
アクティブ運用型の新興国債券ファンドも、2021年以来初めて純流入を記録している。
<アジアが回復、債券発行は過去最高>
アジアは6月の270億ドルの流出から一転、93億ドルの純流入へと転換し、地域別では最大の変動となった。アジア株からの流出額は405億ドルから48億ドルに減少した一方、債券には141億ドルが流入した。
全体で流出を記録した地域はなかったが、中国は広範な改善の例外となった。外国人投資家は中国株から37億ドル、債券から34億ドルを引き揚げた。ただ、株式の売りは6月から大幅に鈍化した。
強い債券需要は、政府による過去最高の起債と重なった。IIFによると、新興国政府は7月に約190億ドルを起債し、過去10年間の同月平均のおよそ2倍の規模となった。今年に入ってからの起債額は約1870億ドルに達し、同時期としては過去最高を記録した。
IIFは、米金融政策の引き締め、円を巡る一段の介入、地政学的ショックが、新興国の債券需要を支えてきたキャリートレードを脅かす可能性があると指摘した。