Olivia Le Poidevin
[ジュネーブ 4日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は4日、コンゴ民主共和国(旧ザイール)で流行が続くエボラ出血熱について、流行の原因となっている「ブンディブギョ株」に対する治療薬や予防薬、ワクチンの開発・試験が急速に進展していると明らかにした。
現在ブンディブギョ株には承認済みのワクチンや治療法が存在しない。ただ、WHOによると、事前に整備された研究プロトコルを活用することで新たな治療法の臨床試験開始が加速している。
WHO研究開発ブループリント計画の責任者代行、バシー・ムーシー氏は記者団に「過去のエボラ流行と比べ、より迅速に治験を開始できた」と述べた上で、前臨床段階のデータには有望な結果が見られると説明。一方で、治療薬やワクチンの有効性は臨床試験によってのみ確認できると強調した。
流行の封じ込めは依然として難航している。WHOのデータに基づくと、8月1日時点で感染確定例は3748件、死亡者は1657人に上り、5州49保健区域に拡大している。約1万7000人の接触者が監視対象で、うち約80%は毎日健康状態を確認している。
こうした中でWHOが支援する治療薬の臨床試験は、イトゥリ州の3カ所の治療施設で実施されている。医療支援団体ALIMA(国際医療活動連盟)や国境なき医師団(MSF)が協力し、これまでに50人超の感染確認患者が登録され、複数の実験的治療法に無作為で割り付けられている。
コンゴ国立生物医学研究所などが主導する予防試験では、イトゥリ州で25人超の高リスク接触者が登録された。研究チームは、経口抗ウイルス薬「オベルデシビル」を10日間投与することで、ウイルスにさらされた後の発症を防げるかどうかを検証している。
ワクチン開発も進展。英オックスフォード大学とインド血清研究所が開発したブンディブギョ株向けワクチンは、7月24日に英国で「フェーズ1」試験を開始した。米モデルナが開発する別のワクチン候補も、今週中にカナダで「フェーズ1」試験を始める見通しだ。
また、WHOは「ザイール株」向けとして承認されている米メルク製エボラワクチンが、ブンディブギョ株に対しても交差防御効果を持つ可能性について、新たな動物実験データを検証している。WHOの諮問委員会は先週会合を開いて結果を評価しており、近く勧告を公表する見込み。