Wayne Cole
[シドニー 5日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が5日発表した第2・四半期の失業率は、約10年ぶりの高水準に上昇した。求職者数が急増し、雇用の伸びを上回ったことが背景。総選挙を数カ月後に控えた中道右派政権にとって打撃となる。
失業率は5.6%で、前期の5.4%(改定値)から上昇した。2015年終盤以来の高水準で、市場予想の5.4%を上回った。労働市場の緩みを示す兆候で、年内の利上げ幅を抑制する可能性がある。
ウィリス財務相は、4─6月は「多くの雇用主にとって困難な時期だった」と指摘。「そうした環境の中で職を探してきた国民にとって、厳しい状況だったことは承知している」と語った。
ラクソン首相は、経済運営の手腕などが評価され、2023年に選出されたが、景気減速と失業率上昇を受けて支持率が低下している。
大半の世論調査では、ラクソン氏率いる国民党が中道左派の労働党にリードを許していることが示されている。ただ、NZの選挙制度は複雑で、11月の投票結果は予断を許さない状況だ。
<利上げの可能性は依然高く>
NZ準備銀行(中央銀行)は、経済への刺激策を解除し、インフレを抑制するには一段の利上げが必要になると示唆しており、市場は9月の利上げを引き続き見込んでいる。
ただ、労働市場の余剰能力を踏まえると、賃金は国内発のインフレ要因にはならず、積極的な利上げサイクルに対しては否定的な材料となる。
キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋地域担当シニアエコノミスト、アビジット・スリヤ氏は「総じて言えば、6月の労働力調査は、金融緩和の段階的な解除アプローチを裏付けるものだろう」と指摘。
「したがって、市場は早ければ9月にも25ベーシスポイント(bp)の利上げを予想しているが、われわれは中銀が10月まで利上げを見送るという見方を維持する」と述べた。
雇用統計を受け、NZドルは対米ドルで0.2%下落し、0.5879米ドルを付けた。2年物スワップ金利は6bp低下して3.6351%となった。
第2・四半期の雇用の伸びは0.5%と予想を上回ったが、労働参加率が70.7%と1年余りぶりの高水準に上昇したことで相殺された。
失業者や就業時間延長を希望する労働者を含む未活用率は、前四半期の12.9%から13.8%に上昇した。
年間賃金上昇率は2.0%と低水準にとどまり、民間部門では2.1%にわずかに上昇したが、いずれもインフレ率を大きく下回った。