18~19年に地球から約3億キロ離れたリュウグウに接近し、着陸と砂や石のサンプル採取に成功。20年に「はやぶさ2」から分離されたカプセルに入った土壌サンプルが地球に着陸して回収された。
リュウグウはイトカワよりも太陽系初期の情報を持っている小惑星と考えられており、土壌サンプルは惑星進化の解明に重要な情報となる。また、サンプルからは地球生命の起源の謎(地球内で発生したのか、隕石に乗って地球外から来たのか)を解く鍵となる有機物(アミノ酸)も発見された。
2.はやぶさ2#とは?
はやぶさ2#(はやぶさツーシャープ)とは、「はやぶさ2」が行う拡張ミッションの愛称だ。
「はやぶさ2」本体は、20年12月に地球上空でサンプル入りカプセルを分離した後、拡張ミッションを行うために新たな宇宙の旅に向かった。探査機に使用されているイオンエンジンの燃料(キセノン)が半分近く残っており、さらなる科学的成果が期待できることから、小惑星トリフネ(26年7月)、小惑星1998KY26(31年7月予定)の探査が追加されたためだ。
愛称に含まれる「シャープ(SHARP)」は、Small Hazardous Asteroid Reconnaissance Probeの頭文字を取っており、「地球に衝突する可能性がある小さいが危険な小惑星を調査する探査機」という意味だ。
トリフネや1998KY26は、現時点でそれら自身が地球に衝突するおそれがあるわけではない。だが、地球衝突のおそれがある天体が現れた時に、すでに宇宙空間にいる探査機を緊急で向かわせて間近で観測したり、小惑星の性状や軌道を精密に計算するためのデータを取得したりすることが可能なのかを実証する貴重な機会となる。
3.世界初の成果1:太陽系天体へのフライバイによる最接近記録を更新
小惑星探査にはランデブーとフライバイがある。はやぶさ2では、リュウグウにはランデブー、トリフネにはフライバイが行われた。31年7月に到着予定の1998KY26にはランデブー探査が行われる予定だ。
ランデブーは、探査機が目標の小惑星に対して、長時間にわたり近距離で並走しながら観測や探査を行う。相対速度がほぼゼロなので、詳細な観測や着陸、サンプル採取などが行える。一方、フライバイは、目標の小惑星の近くを高速で通過しながら観測する。当初は予定されていなかった「寄り道」でもタイムロスが少なく、短時間で撮影や計測を行うことが特徴だ。