Takahiko Wada
[東京 31日 ロイター] - 総務省が31日に発表した東京都区部の7月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は、前年比1.9%上昇した。伸び率は前月の1.6%から拡大し、中東情勢の緊迫化による諸コストの上昇を受けた企業の価格転嫁の影響が本格的に出始めた。エコノミストからは、先行きの物価上振れリスクを指摘する声が出ている。
コアCPIの伸び率は6カ月連続で2%を下回ったが、ロイターがまとめた民間予測の1.7%を上回った。
エネルギー価格は0.7%下落と、前月の2.3%下落より下落率が大幅に縮小した。電気代は0.3%下落、都市ガス代は1.8%下落と、いずれも前月より下落率が縮小した。原燃料価格上昇の影響による。
家事用消耗品は5.3%上昇した。値上げで漂白剤が14.7%上昇、台所用洗剤や柔軟仕上げ剤も指数を押し上げた。
教養娯楽用耐久財は1.8%上昇。円安影響とみられる値上げでノートパソコンの下落率が縮小したほか、タブレット端末は14.7%上昇と伸び率を拡大した。
コア対象522品目のうち、上昇は350、下落は126、変わらずが45、非調査対象が1。上昇品目は前月の344を上回った。
総合指数は前年比2.0%上昇し、伸びは前月の1.7%上昇から拡大した。2%台となるのは25年12月以来。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)も2.0%上昇し、前月の1.9%から伸びが小幅に拡大した。
今回の都区部CPIについて、SBI新生銀行の森翔太郎シニアエコノミストは、中東影響の国内物価へのインパクトは想定以上に大きく「先行きの物価上振れリスクへの警戒を強める内容だ」と指摘する。生鮮食品を除く食料の上昇率縮小に歯止めが掛かったことは「大きな変化」だとし、8月以降、上昇が加速していく可能性が高いとみている。
7月都区部CPIで、生鮮除く食料は3.9%上昇と前月から伸び率が横ばいとなった。
原油市況は4月に付けたピークを大きく下回っているものの、米国とイランの戦闘再開などで不安定な値動きになっている。UBS証券の栗原剛次席エコノミストは「企業としては、また原油価格が上がるかもしれないという警戒感とともに、予備的値上げという形で動いてもおかしくない」とみる。