コリンズはジモシーについて、X線検査をしない限り確定はできないものの、短脊椎症候群(SSS)かもしれないと指摘している。脊椎に異常が生じるこの先天性疾患は、一般的に犬の症例が多い。

「SSSは脊椎の欠損や変形を引き起こす。その結果、背中が異常な形になって、見た目も変わる。動きに影響が出ることもあり、一般的に頭や首をあまり動かせない」

野生動物に詳しいアーカンソー州のキャサリン・ラブ獣医師によると、SSSは犬の間でも極めて稀な疾患で、報告されている症例は世界で30例に満たない。アライグマの症例は「超珍しい」という。

「これほど稀なのは、脊椎に重い変形があれば命にかかわりかねないためで、生まれる前や生後間もなく死んでしまう動物が多い」「しかし、巣立ちの段階まで生き延びることができれば、この診断は死の宣告には直結しない。ジモシーは生後少なくとも3カ月(一般的なアライグマの巣立ちの時期)たっていて、既に自力で餌を採ったり木に登ったりしている。発育上の最大の困難を乗り越えているので、生き延びられる確率は高い」(ラブ)

ジモシーは脊椎の変形に加えて歩行のバランスも悪く、尾もねじれているとラブは言い添えた。

コリンズによると、SSSには環境要因だけでなく遺伝的要因も関係すると考えられている。ジモシーの母親が妊娠していた時に起きた出来事が原因だった可能性もある。

SSSは運動機能障害や嘔吐、便秘といった消化器系の症状も引き起こし得るが、犬の場合は10歳を越えて生きることもできるという。つまり、ジモシーも著しく短命になることはないかもしれない。それでも放し飼いの犬や他のアライグマなどには狙われやすい。しかしジモシーは比較的うまく動き回れているようだとコリンズは指摘した。

「野生の中では天敵から逃れることと体の敏捷性が最大の問題になるだろう。簡単には首を回したり背骨を曲げたりできないので、天敵から逃れたり車をよけたりすることが非常に難しい。加えて胴体の短さは、年を取るにつれて消化器系の問題や関節痛、背中の痛みを引き起こす原因になる。それでもこの小さな子はたくましくて元気いっぱいに見える」とラブは語った

コリンズによると、SSSはアライグマ同士の関係にも影響を及ぼす可能性がある。ジモシーとのかかわりや交尾を避ける個体もいるかもしれない。繁殖能力があるかどうかも不明で、もし繁殖できたとしても、子孫にSSSが遺伝する可能性がある。

ジモシーは長生きできる?
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