Tamiyuki Kihara
[東京 28日 ロイター] - 片山さつき財務相は28日、都内で開かれたLSEGのイベント「ロイターNEXTニュースメーカー」に登壇し、来年度予算編成に向けた国債発行について、現時点では上限を設けないとする一方、国債市場で投機的な動きを招かないことが重要だと述べた。高市早苗首相の政策方針を不安視する市場の見方に配慮した発言とみられる。
高市政権が財政運営目標の中核に「債務残高対GDP(国内総生産)比」の安定的低下を掲げる中、いかに市場の信認を得るかは政権の大きな課題となっている。高市氏は27日、「通年の国債発行額などの具体化を通じて財政の持続可能性を確保する」とした上で、「責任ある積極財政への転換を進めるにあたり、市場とのコミュニケーションを透明性高く、かつ丁寧に行う」とも語っていた。
片山氏はイベントで国債発行について、市場との対話の中で信認が得られるものでなければならないとの考えを示した。「異常な、投機的な相場を国債市場において招くことがないということは非常に重要」と強調する一方、政権が進める「責任ある積極財政」に触れ、「成長のスイッチを押して、押して、押しまくって成長しなければ財政にいい影響が出てこない」とも述べ、政策の正当性をアピールした。
また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本資産構成割合(基本ポートフォリオ)見直しについては、GPIFの運用ルールがすでに決まっていると説明し、具体的な手法に踏み込まなかった。一方、日本経済が成長すれば国債も相対的に有利な商品になるとも話した。
消費減税や防衛費の増額など高市氏が推し進める政策の財源確保は「歳入・歳出をともにしっかりと見直していく」中で確保すると述べた。ここでも市場との対話が随時必要になるとの考えを示し、「信認を確保していると(市場から)みられることが大事だ」とも語った。