Andrew Chung
[27日 ロイター] - 米司法省は27日、郵便投票の規制強化を目的とした大統領令を係争中に実施することを認めるよう連邦最高裁に申し立てた。連邦控訴裁がこの大統領令を23州と首都ワシントンで施行することを認めないと25日に判断したことを受け、差し止め命令の効力の一時停止を求めた。
郵便投票は野党・民主党の支持者が多く利用する傾向があり、トランプ政権は今年11月の議会中間選挙をにらんで大統領令の適用を狙う。最高裁は23州とワシントンに対して8月3日までに対応策を示すように命じた。
判断の対象となった23州とワシントンは、主に民主党が主導している。トランプ氏が3月に出した大統領令が連邦選挙運営に対して違法に介入しようとしているとして提訴し、連邦地裁が6月に実施を差し止める判断を下した。
連邦控訴裁も連邦地裁の判断を支持し、差し止め命令の効力停止を求める政権側の申し立てを却下した。
米司法省は控訴審で、政府が大統領令を実施するための措置や政策を最終決定していないため、各州が訴訟で異議を唱えるのは時期尚早だと主張したが、高裁は判決で「大統領令は、各州が連邦当局と調整し、新たな投票手続きに従わなければならない期限が急速に迫っていることを明確に示している」とし、州には今すぐ対応する以外に現実的な選択肢がないと指摘した。
司法省は提出した申請書で「(もしも実施するとしても)大統領令をどのように実施するかについて依然検討中であるにもかかわらず、地方裁判所は政府機関がどのような選択をしようとも、それが必然的に違法であると先取りして判断してしまった」と主張した。
2020年の大統領選でバイデン前大統領に敗れたトランプ氏は、大統領選で広範な不正があったという虚偽の主張を繰り返して選挙改革を訴えてきた。不正があったとの証拠はほとんどないものの郵便投票の安全性に疑問を呈し、中間選挙までに全米で郵便投票の利用を廃止すると公約している。
郵便投票を利用するのは民主党支持者に多い傾向が強いため、郵便投票を制限すれば共和党にとって有利に働くとみられている。
トランプ氏は他にも、現在は共和党が過半数の議席を握っている議会に対し、投票に際して米国市民権の証明を義務付ける「セーブ・アメリカ法案」の可決を強く要求している。