Francesca Landini Marwa Rashad Emily Chow Nidhi Verma

[23日 ロイター] - カタールとアラブ首長国連邦(UAE)産の液化天然ガス(LNG)は、米国とイランの戦争によって輸送が混乱し、保険コストが上昇したため、アジアや欧州の購入企業は両国に価格引き下げと追加的な供給保証を求める方針だ。

戦争によりホルムズ海峡が長期間封鎖され、石油とガスの輸送が途絶したため、湾岸産油・産ガス国は「世界で最も信頼性の高い供給源」という評価を失った。こうした評価はこれまで、湾岸諸国に大きな交渉力をもたらしていた。

カタールと、生産を増やしつつある隣国UAEは、世界のLNG輸出能力の約5分の1を占めるが、その全てをホルムズ海峡経由で輸出する。

カタール産LNGは生産コストの低さから価格競争力が世界でも屈指の高さで、UAEは契約条件が柔軟だ。しかし買い手側は、リスクの高まりと保険料の上昇を理由に、今後の契約交渉ではさらなる値下げや一層柔軟な条件を引き出せるようになるとみている。

イタリアの電力・ガス企業エジソンのニコラ・モンティ最高経営責任者(CEO)はロイターに対し「湾岸地域で新たな契約を締結する企業は、今後上昇が見込まれる保険コストを考慮せざるを得ない」と述べた。

業界関係者によると、イラン紛争以前カタールとUAEの長期LNG契約は通常、価格がブレント原油の12.6―12.7%程度に設定されていた。しかし戦争開始後に締結された一部契約では約12.3%まで低下している。

戦争でカタールエナジーは液化設備の停止を余儀なくされ、「不可抗力」を宣言して輸出を停止した。さらに今月、イランがホルムズ海峡を航行するタンカーへの攻撃を再開したことで、戦争前の輸送水準に戻れるかどうかが不透明になっている。

アジアを拠点とするトレーダー6人によると、今後の湾岸産ガス契約の交渉では、価格引き下げだけでなく、供給の安全性向上や供給源の多様化も重要な論点となる見通しだ。

トレーダーの1人によれば、米国、カナダ、モザンビークでLNG生産が拡大し競争が激しくなっていることも、カタールやUAEに価格引き下げ圧力をもたらす可能性がある。

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