Gayatri Suroyo Fransiska Nangoy
[ジャカルタ 22日 ロイター] - インドネシア中央銀行は22日、政策金利の7日物リバースレポ金利を5.75%に据え置いた。市場は、通貨ルピアを下支えするため追加利上げすると予想していた。一方で、海外からの資金流入を促すための新たな措置を打ち出した。
ロイターがまとめたエコノミスト33人への調査では、20人が25ベーシスポイント(bp)の追加利上げを見込み、残る13人は据え置きを予想していた。
中銀は翌日物預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利もそれぞれ4.75%と6.50%に据え置いた。
財政健全性や中銀の独立性、一次産品輸出規制に対する懸念を背景にルピア下落圧力にさらされている。中銀は5月以降、ルピア下支えのため合計100bpの利上げを実施した。
0855 GMT(日本時間午後5時55分)時点でルピアは1ドル=1万7875ルピアと、中銀の記者会見前の1万7898ルピアからやや上昇した。
ペリー・ワルジヨ中銀総裁は会見で、今回の決定はルピアの安定を維持し、インフレを目標範囲内に収める取り組みに沿ったものだと説明した。一方で、成長を支えるために中銀の他の手段を活用すると述べた。
具体的には、中銀との為替ヘッジ取引コストの引き下げや米ドル以外の通貨の使用促進といったルピア支援策を導入すると明らかにした。
ワルジヨ氏は「中銀には2つの選択肢があった。利上げを行って国内金利の上昇を招くか、あるいは本日決定したように、利上げは見送り、海外からのポートフォリオ投資を促進するための措置を強化するかだ」と述べた。
また「これらの措置は国内金利に影響を与えることなく海外からの投資を呼び込み、為替レートをコントロールする上でより効果的だ。われわれはこちらを選択した」と説明した。
<今後の変動に備え政策余地を温存か>
国内の懸念材料に加え、イランでの紛争と原油価格への影響も石油の純輸入国であるインドネシアからの資金流出を招いている。ワルジヨ氏は、中東情勢が再び緊迫化したことが世界的な不確実性を高めていると指摘した。
DBSのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は、中銀は年後半に追加利上げに踏み切る可能性があるとの見方を維持すると述べた。「地政学的緊張のさらなる高まりや、金融市場による米連邦準備理事会(FRB)の引き締めリスクの再評価などを背景に、ルピアの変動が激しくなった場合に対応できるよう政策余地を残すことを選択したのだろう」と分析した。
ワルジヨ氏はエルニーニョ現象が食品価格に与える影響などのリスクを指摘しつつも、インドネシアのインフレ率は2027年まで中銀の目標である1.5─3.5%の範囲内にとどまり、コアインフレ率は3%未満に抑えられるとの見方を改めて示した。
6月のインフレ率は非補助金対象の燃料価格の上昇により、3カ月ぶりの高水準となる3.34%に上昇した。アナリストらは、エルニーニョに起因する通常より乾燥した天候によって食料生産に支障が出る可能性があり、今後数カ月でさらなる物価上昇圧力が生じる恐れがあると警告している。
中銀はまた、銀行間における流動性の偏在に対処するため、流動性政策を変更した。中銀幹部らは、銀行は全体として融資に「十分過ぎる」資金を有していると述べた。
中銀は今年の国内総生産(GDP)伸び率見通しを4.9─5.7%に据え置いた。