Suban Abdulla
[ロンドン 22日 ロイター] - 英国家統計局(ONS)が22日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が2.6%で、5月の2.8%から鈍化し、2025年3月以来の低水準となった。自動車燃料価格の下落したことが寄与した。ただ、足元でイラン情勢が再び緊迫化しており、アナリストからはインフレ率は6月が底で年末に向けて再び加速するとの見方が出ている。
ロイターがまとめたエコノミストの予想中央値は2.7%だった。
ONSのチーフエコノミスト、グラント・フィッツナー氏は「自動車用燃料、特にディーゼル価格の下落がインフレ緩和に寄与した」と述べた。
「原材料費は主に原油価格の下落により1月以来初めて下落し、工場出荷時の製品コストの上昇も再び鈍化した」とした。
食品価格は前年比1.6%上昇と、5月(2.1%上昇)から減速した。
基調的な物価圧力として英中銀が注目するサービスインフレ率は3.6%で、5月の3.7%からわずかに鈍化したものの、エコノミスト予想(3.5%)を上回った。
インフレ率は過去5年間、大半の期間でイングランド銀行(英中央銀行)の目標である2%を上回っている。英中銀は第3・四半期にインフレ率が3%に上昇するとの見方を示している。
20日に就任したバーナム首相は、生活費対策として電気料金への付加価値税免除やバス運賃の上限引き下げを発表した。ヒーリー財務相は、22日のデータを歓迎しつつも、政府として家計支援のためにさらに対応する必要があると述べた。
経済予測機関ITEMクラブのチーフエコノミックアドバイザー、マット・スワネル氏は、最近のエネルギー卸売価格の上昇で、電気料金減税の効果は打ち消されてしまうとし、インフレ率は年末までに3.5%に向けて上昇する可能性があると述べた。
イングランド・ウェールズ勅許会計士協会(ICAEW)のチーフエコノミスト、スレン・ティル氏は、今後数カ月でインフレ率の上昇が予想され、ヒーリー氏の財政的余地が圧迫され、借入コストが上昇し、金融市場のボラティリティーが高まるだろうと指摘した。
英中銀は来週、金融政策決定会合を開く。市場は政策金利の据え置きを予想している。
KPMGのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「国内需要が低迷する中、基調的なインフレ圧力が比較的抑えられていることが示され、英中銀の慎重姿勢を正当化する」と述べた。