[ロンドン 21日 ロイター] - 英国のバーナム首相は21日、家庭用電気料金に関する付加価値税(VAT)を10月1日から撤廃すると発表した。首相就任後の早期施策の第一弾。生活費高騰対策の一環で、国民からの支持回復を目指す。今後さらなる施策を公表する構えだ。

18億ポンド(24億2000万ドル)規模のデジタルID(身分証明)関連事業の計画を中止し、財源に充てるという。今回の措置で世帯が支払う年間平均料金約1862ポンドのうち、約45ポンドが軽減されると見込まれている。バーナム氏は声明で「エネルギー料金への税を削減し、家計にお金を回し、希望を取り戻すために迅速に対応している」と表明。生活に「一息つく余裕」を増やすとも述べている。

バーナム政権は初の閣議を開き、財政規律が新政権にとって重要だと強調。ヒーリー財務相は「予算や優先順位を厳しく見直し、家計を少しでも改善するためにより多くの措置を実現する必要がある」と述べた。バーナム氏はこれに先立つ20日、記者団に低所得層が「すぐに実感できるような施策の実行」に意欲を示した。初期の政策で物価高に苦しむ国民に寄り添う施策を打ち出し、年内に長期的な計画を策定すると明らかにしている。

英国のエネルギー料金はロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー危機以前と比べ、最大6割高い水準にある。今年10月にはさらなる料金の上限引き上げが予想されており、今回の措置の効果は限定的だとの声もある。また、スターマー前首相に近いダレン・ジョーンズ氏は、デジタルID計画には予算が確保されておらず、予算編成に当たっては減税措置の財源を明らかにする必要があると指摘した。

バーナム氏は最近まで務めたマンチェスター市長としての手腕が評価されており、英主要政党のリーダーの中で最も高い人気を誇っている。

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