Anirban Sen

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米大手銀行のプライムブローカレッジ事業が好調だ。市場の高いボラティリティーを背景に、世界の大手マルチ戦略ヘッジファンド向け融資や資金調達支援が拡大し、各行の収益を押し上げている。

ゴールドマン・サックスは第2・四半期、プライムブローカレッジ事業で過去最高の業績を記録した。株式ファイナンス収入は前年同期比91%増加し、アジア市場での力強い成長を原動力として平均プライム残高(プライム顧客との取引残高)も過去最高を更新。債券・為替・コモディティー(FICC)および株式関連事業では、ファイナンス収入(証券金融やプライムブローカレッジ融資などで得られる収入)は62%増の45億ドルで、この事業全体の収入の約37%を占めた。

デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は「人工知能(AI)関連の資本形成や投資活動の活発化を受け、アジアで顧客活動が特に強かった」と述べた。

デニス・コールマン最高財務責任者(CFO)は、アジアをプライムブローカレッジ事業の戦略的成長市場と位置付けていると説明。「事業拡大に向けた投資が収益拡大につながり、下期入り時点で資本余力もさらに高まっている。顧客からの需要は依然として非常に強く、市場シェア拡大とリスク管理のバランスを取りながら対応している」と説明した。

JPモルガン・チェースでは、第2・四半期の市場部門収入が前年同期比35%増加。プライムブローカレッジを含む株式市場部門の収入は86%増の60億ドルに達し、全体をけん引した。

ジェレミー・バーナムCFOは決算説明会で「デリバティブ取引と現物株取引の双方で顧客フローが堅調だったほか、プライムブローカレッジ事業も顧客活動や残高の増加によって恩恵を受けた」と語った。

米金融大手のプライムブローカレッジ事業はここ数四半期、株価上昇やAI関連需要の拡大、アジア市場での成長、相次ぐ大型株式発行を追い風に収益を伸ばしている。

最近では米宇宙開発企業スペースXによる860億ドル規模の株式売却を巡り、大手機関投資家やヘッジファンドから投資需要が集中した。

同案件をゴールドマンとともに主幹事として手掛けたモルガン・スタンレーも、平均顧客残高の増加やアジアでの事業拡大を背景に、プライムブローカレッジ部門の収益が増加したと明らかにした。

テッド・ピックCEOは「社内では資本需要が非常に強い。株式関連顧客によるプライムブローカレッジやデリバティブ取引の需要が拡大している」と述べた。

シティグループも恩恵を受けた。市場関連事業収入は17%増の70億ドル超となり、株式部門収入は約45%増加した。プライム残高は約60%増えて、新規・既存顧客からの需要拡大や市場評価額の上昇が寄与した。

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