Timothy Gardner Patricia Zengerle
[ワシントン 15日 ロイター] - 米上院の超党派議員による対ロシア制裁法案に盛り込まれた関税措置を巡り、民主党議員は15日、インドや日本、一部の欧州連合(EU)加盟国などに新たな貿易措置を課す権限をトランプ大統領に与える可能性があるとして懸念を表明した。
超党派上院議員は14日、対ロ制裁法案の修正版を公表した。ロシア産石油・天然ガスを購入する上位5カ国からの輸入品に100%の関税を課すことを大統領に認める内容で、トランプ氏も支持している。
法案への支持を得るため、修正版では関税率を従来案の一律500%から100%に引き下げた。それでも、トランプ氏に新たな権限を与えかねないとして、議会内では懸念が広がった。
法案支持派の上院スタッフによると、ロシア産原油の購入上位5カ国は中国、インド、スロバキア、ハンガリー、アゼルバイジャンで、ロシア産天然ガスの主要輸入国は中国、フランス、日本、ハンガリー、ベルギー。
ロシアの天然ガス輸出量の15%未満を輸入し、輸入削減に向けて重要な措置を講じている国については適用除外を認めており、これにより日本、フランス、ハンガリー、ベルギーは除外されるという。
一方、ロシア産ガスの15%超を輸入し、輸入削減に向けた措置を講じていない国であれば、どの国も関税の対象になり得るとした。
上院財政委員会の民主党スタッフが作成し、ロイターが写しを入手した文書には懸念事項が列挙されている。文書は「さらなる国々が絶えず対象に加えられる可能性があり、曖昧な適用基準は、トランプ氏にこうした権限を乱用する余地を与えすぎている」としている。
また、関税について議会が不承認とする仕組みが存在しないほか、大統領の権限に期限がないとも指摘した。
下院外交委員会の民主党筆頭委員であるグレゴリー・ミークス下院議員は、法案に含まれるロシアの「影の船団」やエネルギーインフラに対する制裁を評価する一方、関税については懸念を示した。
ミークス氏は「これは制裁法案というよりも、欧州の同盟国も対象に含めてトランプ大統領がさらなる関税を課すための巨大な裏口の権限であり、米国民の家計を圧迫するものだ」と述べた。
ホワイトハウスのコメントは得られていない。法案の採決時期は不透明だ。