Howard Schneider

[ワシントン 15日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀が15日に公表した研究報告によると、米連邦準備理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)価格のコア指数に食品と光熱費を含めることで、基調的なインフレ率をより正確に測定できる可能性がある。家計支出のカバー率が高まり、生活費に対する人々の実感をより反映しやすくなるとしている。

この見直し案では、基調インフレから除外するのはガソリンなどのエネルギー財のみとなる。これらは世界の原油価格と密接に連動し、短期的に最も激しく変動する。研究報告はインフレ率を中長期的に2%に保つことを目指す金利決定において、FRBがこれらを無視することは妥当だと結論付けた。

現在のコアインフレ指標は食料品、エネルギーサービス、燃料などのエネルギー財を除外している。しかしPCE価格指数の場合、消費支出の約13%が除外されることになる。食料品支出など家計が最も敏感に感じるコストの一部が指標から切り離されるため、食品価格が高騰している局面で、多くのFRB高官から説明や正当化が難しいとの声が上がっている。

セントルイス連銀のシニア経済政策アドバイザー、フェルナンド・マーティン氏によると、変動が突出して大きいのはエネルギー財で、食品とエネルギーサービスは他の品目に近い動きをする。同氏は消費支出の3%未満に過ぎないエネルギー財のみを除外することで、政策当局者は基調インフレをより正確に測定できると主張した。

<より安定し実態を反映したインフレ指標>

マーティン氏は自身の研究に関するブログ投稿で、エネルギー財のみを除外することにより、変動の大きい品目が排除され、より安定し実態を反映したインフレ指標を構築できると記した。また、「短期的なショックに過剰反応することなく、消費支出のより多くの割合を維持できる」と説明した。

直近の5月データに基づくと、マーティン氏の改定版PCEデータが示すインフレ率は前年同月比3.36%となる。現行の総合指数の上昇率は4.1%、コア指数は3.4%だった。

FRBは金融政策を決定する上で、インフレ率をどのように測定するのが最善かを巡り議論しており、ウォーシュFRB議長はこの問題を5つのタスクフォース(作業部会)の1つに割り当てている。

ウォーシュ氏は議長就任前、月々の価格変動が上下に最も激しい品目を排除するトリム平均などの指標を支持すると表明していた。しかしトリム平均は一般的な算出方法では消費全体の55%という極めて大きな割合を除外することになる。

マーティン氏は、トリム平均は景気の重要な転換点を示すのに「大幅な遅れが生じる」と指摘。「トリム平均インフレ率は過去12カ月間、上昇するどころか低下傾向にある。総じて機能しているとは言い難い指標だ」と述べた。

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