Nancy Lapid
[14日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーの肥満症治療薬でGLP-1受容体作動薬の一種である「ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)」を使用している高齢者に見られるフレイル(虚弱)の兆候は、好ましくない結果を招くリスクが比較的高いことを示唆している可能性があることが米データ分析企業インファレンスの大規模な研究で明らかになった。米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」がGLP-1療法の利用を拡大する中、高齢者に対する最善な経過観察の方法を巡る懸念を浮き彫りにしている。
研究チームは、一般的に栄養失調、脱水、筋肉量の低下といったフレイルに関連する症状が現れることは極めてまれであり、今回の結果によってゼップバウンドや、デンマーク同業ノボノルディスクの「ウゴービ(一般名:セマグルチド)」などのGLP-1製剤の高齢者への適切な使用が妨げられるべきではないと説明。その代わり、これらの薬剤を投与される高齢患者に対するより綿密な経過観察を推奨した。
ゼップバウンドとウゴービはともに著しい体重減少、血糖コントロールの改善、肥満関連の心不全や閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善を通じて、多くの患者に有益であることが示されている。
インファレンスはこの研究で、これまでの分析においてチルゼパチドがセマグルチドに比べて体重および筋肉量の減少がより大きいとの関連性が示されていたため、ゼップバウンドに焦点を当てたと説明。この報告書は13日に査読前論文として公開され、現在は査読を申請中だという。
研究チームは、肥満治療のためにゼップパウンドを投与された65歳以上の米国成人約3万人、2型糖尿病治療のために非GLP-1系薬剤を投与された約1万9000人、減量手術を受けた約6000人の3つのグループを比較した。
医療記録によると、全患者のうち、0.16%で筋量および筋機能の進行性低下、1.6%で栄養失調、3%で脱水、4.75%で食欲不振が認められた。これらの問題はそれぞれ、加齢、複数の健康問題、および体重減少の進行(特に体重の20%以上の減少)に伴い、発生リスクが高まる傾向にあった。
研究ではこうした状態と診断された人々の中で、関連するリスクの度合いは、チルゼパチド投与群で有意に高い関連性を示した。