映画やドラマの「あの演出」は現実
一般の警察が「市井の人々を脅かす犯罪」や「生活に害を及ぼす行為」を取り締まるのに対し、公安警察は「公共の安全に対する犯罪」「反社会的な活動を」を主な対象としている。
いわば、ミクロの目線から日々の市民生活を守るのが普通の警察で、マクロの目線から日本という国家全体を守るのが公安、と考えればわかりやすいかもしれない。
だから、公安が追いかける対象は、空き巣や痴漢、強盗や殺人などの凶悪犯といった連中ではなく、「過激派」や「テロリスト」などの犯罪者やその集団ということになる。(23ページより)
ちなみに「公安警察と一般の警察は仲が悪い」という光景を、映画やドラマでしばしば見かける。「それは演出でしょ」と感じても無理はないが、実際のところ、確かに仲はよくないのだとか。
特に刑事警察(刑事事件などを扱う、いわゆる一般の警察)が、公安に対して一方的に反感を抱く傾向にあるそうだ。
なかでも、いわゆる「叩き上げ」と呼ばれるような刑事の中には、公安に対して「あいつら、適当に時間をつぶして遊んでやがる」などと見当違いの批判をする者もいる。「スパイなんて大袈裟に騒いでいるけど、会社の情報を売ってるただのコソ泥を捕まえるために大層なことしやがって」などと言う者もいたりする。
市民の安全を確保するのも大事、国家の危機を守るのも大事。甲乙をつけることはできない。元々の役割が違うのだから、お互いを比較すること自体がナンセンスなのだ。
だから、映画やドラマの中でよく描かれる、刑事と公安が対立するシーンというのはほとんど事実であると受け取っていただいてかまわない。(45〜46ページより)