Yuliia Dysa
[キーウ 10日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、ロシア領内深部への長距離攻撃に特化する特別司令部をウクライナ軍内に新設すると発表した。このほか、攻撃部隊とドローン(小型無人機)部隊を組み合わせた新たな即応部隊も編成する。
ゼレンスキー大統領は恒例の夜のビデオ演説で「きょう、ウクライナ軍内に特別司令部を設置する大統領令に署名した」とし、「新たな司令部に利用可能な資源の全てを投入し、ロシアの戦争遂行能力を一段と大幅に低下させることに注力する」と述べた。
ウクライナはここ数カ月、ウクライナとの国境から数千キロ離れたロシア国内の主要エネルギーインフラを標的にドローンなどを用いた攻撃を継続。ウクライナ軍参謀本部によると、10日はロシア南部クラスノダール地方にあるイルスキー製油所のほか、北西部レニングラード州のウスチ・ルガにある石油精製施設を攻撃した。南部ロストフ州の石油ターミナルと石油貯蔵施設も攻撃を受け、爆発や火災が発生したとしている。
この日はまた、ウクライナ軍のドローン(小型無人機)部隊を率いるロベルト・ブロウディ司令官が、クリミア半島に近いアゾフ海でタンカー10隻を攻撃したと表明。ウクライナ軍は2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島の孤立化を図っており、今週に入ってから約50隻の燃料輸送船を損傷させたという。
ブロウディ司令官はロシア深部への長距離攻撃作戦の立案者の1人。「ロシアの『影の船団』は縮小している」と述べた。
ウクライナによるアゾフ海への攻撃を受け、穀物輸出業界関係筋によると、ロシアはドン川とアゾフ海を結ぶ航路の船舶の運航を一時停止した。ドン川はロシア中央部からアゾフ海に流れる有数の大河で、専門家は船舶の運航停止でロシア産小麦輸出の約4分の1が影響を受ける恐れがあり、経済に新たな打撃になる可能性があると指摘している。