Julia Symmes Cobb Vivian Sequera
[9日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の米州地域事務局、汎米保健機構(PAHO)は9日、ベネズエラで6月24日に発生した2度の大地震の被災者について、感染症の流行や衛生環境の悪化、安全な飲料水へのアクセス不足、基礎医療の中断が今後の最大の健康リスクになるとの見方を示した。
ベネズエラ政府は、自宅を失った被災者向けに80カ所余りの避難所を開設。避難者数は9日時点で1万7907人に達した。
PAHOのバルボサ事務局長は記者団との電話会見で、劣悪な避難所環境によって多くの被災者が健康被害を受けやすい状況にあると指摘。「今後数週間で最大の健康リスクとなるのは、地震による負傷だけでなく、医療サービスの中断や避難所の過密状態、水・衛生環境の不備、予防接種や通常医療へのアクセス低下だ」と述べた。
今後PAHOはベネズエラ保健省と連携し、呼吸器疾患や消化器疾患の流行を監視するほか、予防接種の実施拡大を支援する。さらに野戦病院や避難所を下痢症、呼吸器感染症、発熱性疾患、ワクチンで予防可能な疾患の早期警戒システムに組み込む方針だ。
国連のフレッチャー人道問題調整官はロイターに、連続した大地震の被害は「世界中のどの政府にとっても極めて対応が難しい規模だ」と語った。
これからの半年で、国連は人道支援を最も必要とする130万人への支援を目指している。
9日時点でベネズエラ当局が発表した死者数は3889人に増えた。負傷者数は1万6740人で変わっていない。
死傷者数の信頼性について問われたフレッチャー氏は、被害の混乱が極めて大きく、現時点で判断するのは難しいとの見解を示した。
国連はこれまでに3億ドル超の支援を動員し、対応開始から2週間で約4万人に食料支援を実施。女性や子どもを中心に、被災者への心理社会的支援を行うチームも派遣しているという。
PAHO幹部の1人は、ベネズエラの保健医療体制が長年の経済危機で大きく弱体化しており、地震直後の医療対応不足につながったと分析し、近年の医療従事者の国外流出も影響したと付け加えた。
この幹部は「地震災害発生直後は基礎的な医療サービスが深刻に不足し、本来は外傷患者や救急患者を受け入れる目的ではなかった施設も対応に追われた」と説明。その後は国際支援や他地域からの医療スタッフ派遣、野戦病院の設置によって状況が改善していると述べた。
ロドリゲス暫定大統領は、当局の取り組みが遅いとの批判に対し、政府の対応を擁護した。現場では海外の専門救助隊や消防隊員、軍のボランティアらも活動している。