Jonathan Stempel
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米東部ニューヨーク州のジェームズ司法長官は9日、環境や健康に有害な影響を及ぼすとされる有機フッ素化合物(PFAS)を含む製品の販売を巡り、3Mやデュポンなどの化学メーカーを州裁判所に提訴したと発表した。
訴状によると、被告企業はPFASの毒性を認識しながら、長年にわたって消費者向け製品への使用や販売を続け、リスクを一般の人々に十分開示しなかったとしている。また、PFASによる環境汚染の抑制や被害軽減に向けた実効的な措置を講じなかったとの主張も展開した。
被告は3M、デュポンのほか、デュポンから分社化したケマーズ、コルテバ、EIDPの各社。州側は汚染浄化費用の負担に加え、消費者への適切な警告、損害賠償や返還金、民事制裁金の支払いを求めている。
ジェームズ氏は声明で「あまりにも長期にわたり地域社会が有害な『永遠の化学物質』への対応や汚染除去の費用を負担してきた。PFAS汚染の責任を負う企業に説明責任を果たさせたい」と強調した。
PFASは化粧品や焦げ付き防止加工の調理器具、防汚衣料など数百種類の製品に使用されている。分解されにくいため「永遠の化学物質」と呼ばれ、高コレステロール、低出生体重、ワクチンへの抗体反応低下、腎臓がんや精巣がんなどとの関連が指摘されている。
PFASを巡っては、3Mが2025年5月に東部ニュージャージー州の飲料水汚染問題で最大4億5000万ドルを支払う和解に合意した。またケマーズも同年6月、ニュージャージー州と南部のノースカロライナ、ウェストバージニア各州の水質汚染問題を巡り、米政府と4億5000万ドルで和解している。
一方、ケマーズと米政府の和解に関し、一部環境団体やノースカロライナ州当局から「住民救済にほとんど寄与しない」との批判が出ている。
トランプ政権下の米環境保護局(EPA)は25年5月、バイデン前政権が24年に導入した飲料水中のPFAS規制の一部を緩和する方針も示している。