Hitoshi Ishida Takaya Yamaguchi
[東京 10日 ロイター] - 片山さつき財務相兼金融相が10日の閣議後会見で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金による国内投資を後押しすると発言した。国内債券などへの投資拡大の連想が強まり、市場は円高・債券高で反応している。
きっかけとなったのは「GPIFをはじめとする年金基金に、日本の金融資産にさらなる投資をしていただく後押しをする方策を追求したい」とする片山金融相の発言。「成長と国民の資産形成の好循環を作るという、新しいパッケージで促進をしてまいりたい」とした。「GPIFの方は私だけでできることではないが、政府内でもきちんと意思統一し、話をしていきたい」とも述べた。
これを受け、外為市場では朝方から162円半ばで推移していたドルが161円後半まで下げ幅を拡大。「国外よりも円資産への投資を増やすとの思惑で、円安要因がなくなるとの見方が広がった可能性がある」(あおぞら銀行の諸我晃チーフ・マーケット・ストラテジスト)という。
一方、債券市場では国債先物が買われ、中心限月9月限は一時127円46銭まで上昇し、前営業日比70銭高の127円25銭で午前の取引を終えた。「詳細は分からないが、ポジティブな材料とみられ、円とともに円債が買われている」(国内運用会社)との声が出ている。
株式市場では日経平均株価が一時前日比1631円01銭高の6万9374円86銭まで上昇。岩井コスモ証券の嶋田和昭チーフストラテジストは「(発言は)株高にもつながっている。具体的な内容はわからないが、おそらく対象は円債との見方で、金利低下なら株高というロジックだろう」との見方を示した。
GPIFは「発言は承知しているが、発言についてのコメントは差し控えたい」としている。
政府は、近く閣議決定する成長戦略で、運用改革を経てGPIFが導入したオルタナティブ投資の上限(資産全体の5%)に向けた取り組みも追記する。GPIFの運用資産構成を念頭に「今後のポートフォリオの在り方を検討する」との考えも示している。