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[アンカラ 9日 ロイター] - 今週トルコで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に、加盟国首脳らが注目したのはトランプ米大統領が協調路線で臨むのか、それとも同盟の将来を揺るがす強硬姿勢を示すのかという点だった。結果として、トランプ氏が見せたのは両方の面だ。

トランプ氏は7日の会議開始後に英国、ドイツ、フランス、イタリアが対イラン軍事行動への支持を十分に示していないと批判。8日朝には、スペインが戦争支援や防衛費増額に消極的だとして、同国との貿易を停止する考えを示した。

一方で8日夜までには欧州各国による防衛費拡大を評価し、非公開の首脳会合について「愛情に満ちていた」と表現した。

NATO首脳らは、昨年の首脳会議でも同様の対応を経験しており、トランプ氏との関係維持のため、必要に応じて称賛を交えながら冷静に対応をするのには慣れてきた様子だ。外交筋は、大西洋同盟の結束維持には、こうしたやり方が重要だと指摘する。

8日の会談でNATOのルッテ事務総長は、米軍によるイラン攻撃を評価するとともに、欧州各国の防衛費増額を促したトランプ氏の役割を称えて「成果を受け取るべきだ。あなたが実現した」とトランプ氏を持ち上げた。

そうした中でトランプ氏は首脳会議終了後、各国首脳から歓迎されたと強調した上で「彼らは『大統領、あなたが大好きだ』と言っていた」と記者団に語った。

つい最近までトランプ氏は、NATO加盟国が米国の対イラン作戦を十分支援していないとして不満を繰り返し表明していた。

会議出席についても直前まで不透明だったが、開催地トルコのエルドアン大統領との親密な関係を理由に参加したと説明した。

8日朝にはスペインを「ひどいパートナー」と批判し、ベセント米財務長官に「スペインとの全ての貿易を止めたい」との意向を伝えた。

またデンマーク自治領グリーンランドについても、米国が支配権を持つべきだとの従来の主張を繰り返した。

ただ複数の外交筋によると、その後の非公開会合ではスペインへの制裁やグリーンランド取得構想には触れず、発言のトーンも比較的穏やかだったという。

スペインのサンチェス首相は対立を強調せずに「非常に友好的な会話だった」と述べた。

トランプ氏は8日午後に会談したウクライナのゼレンスキー大統領を評価。トランプ政権との関係に不安を抱くウクライナ側にとっては安心材料となった。

会議後の記者会見でもトランプ氏は加盟国首脳について「善意を持ち、自国のためによく働いている」と評価し、新たな対立は表面化しなかった。

それでも多くの外交関係者はこうした融和ムードが長続きするとはみていない。昨年のNATO首脳会議でもトランプ氏は同盟を称賛したが、その後ロシアのプーチン大統領と会談し、加盟国から懸念の声が上がっていた。

トランプ氏は帰国途中の機内で、スペインを「非常に寛大だ」と評し、NATOの「大きな結束」に言及しながらも、その直後、欧州駐留米軍のさらなる削減の可能性に言及し、改めて同盟国への圧力をにじませた。

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