Amanda Cooper

[ロンドン 9日 ロイター] - ドイツ銀行は9日付のリポートで、米国は経常赤字と貿易赤字という「双子の赤字」を賄う資金調達で、国債への海外投資よりも米企業株への海外資金流入に依存する体質をこれまで以上に強めており、こうした構造変化によってドルのリスクが高まる可能性があるとの見方を示した。

リポートによると、地政学的な対立の深まりを背景に、海外投資家が米国債の保有に慎重になっている一方、人工知能(AI)ブームを追い風に米国株への資金流入が拡大。ドルは値動きの大きいテクノロジー業界の浮沈や景気循環の影響を受けやすくなっている。

同行のストラテジスト、マリカ・サチデバ氏は、米国の対外赤字を賄う資金調達構造が「国債中心」から「株式中心」へ移行することで、ドルのリスク特性そのものが変化すると指摘。「米国債への需要はこれまで景気循環と逆相関する傾向があり、景気後退局面やリスク資産が調整する局面ではドルを支える役割を果たしてきた。こうした分散投資効果が、為替ヘッジを行わないドル資産保有を促してきた」と説明した。その上で「しかし、より景気循環に左右されやすく、個人投資家資金に支えられた株式中心の資金調達に依存する構造に移行すれば、ドルはリスク資産としての性格を強め、AIブームへの依存度も高まるだろう」との見方を示した。

米国は現在、2025年の経常赤字が約1兆1200億ドル、貿易赤字が約1兆ドルに達しており、海外からの資金流入が米国の資金調達を支える上で極めて重要な役割を担っている。

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