Rae Wee Sumeet Chatterjee

[シンガポール 9日 ロイター] - 世界最大の暗号資産(仮想通貨)交換所バイナンスのリチャード・テン共同最高経営責任者(CEO)は9日、シンガポールで開催されたイベント「ロイターネクストアジア」で、欧州連合(EU)域内での事業継続に向けてEUの規制当局と「緊密な協議」を続けているほか、アジアでもさらなる事業認可の取得を目指していると述べた。

「当社は、事業認可申請を勧めてくれた国の規制当局と緊密な協議を行っている。現時点では時期尚早であるため、具体的な当局の名前は明かせないが、EUの規制当局とは引き続き非常に緊密に連携している」と語った。

暗号資産関連企業がEUで顧客向けサービスを続けるためには、新規制「MiCA」に基づく事業認可を7月までに取得する必要がある。EU加盟国に対して個別に認可申請を行った上で、個別の国の認可を「パスポート」として域内27カ国全体で事業を行う仕組みだ。

バイナンスは先月、ギリシャでのMiCAの認可申請を取り下げ、別のEU加盟国での認可取得を目指していると発表した。

バイナンスの幹部は以前、ロイターに対し、同社はEUから撤退しない意向であり、EUでの事業認可取得に向けて取り組むと述べていた。

テン氏は9日、「当社は完全に規制に準拠した申請書を提出しており、規制当局からもその旨を伝えられていた。当局からは承認されると聞いていたため、なぜ承認が延々と先送りされたのか、よく分からない」と語った。

同社が認可申請を取り下げたのは、EU域内のバイナンスユーザーが「短い移行期間」に直面することを防ぐためだったと説明した。

テン氏はまた、バイナンスがアジア全域での事業認可取得も目指していると語った。

バイナンスは最近、現地のフィンテック企業との提携を通じて、フィリピンへの事業拡大を発表した。

テン氏は「さらに数カ国が控えている。当社はかなり積極的に事業拠点を拡大していくつもりだ」と語った。

暗号資産市場は今年、市場のボラティリティーの高まり、大型新規株式公開(IPO)への投資家の期待感、および暗号資産に連動する上場投資信託(ETF)からの継続的な資金流出を背景に、苦戦を強いられている。

世界最大の仮想通貨であるビットコインは今年に入って30%近く下落している。

だが、テン氏は、機関投資家の間で仮想通貨への関心が高まっていることを挙げ、仮想通貨の長期的な見通しについては依然として楽観的な見解を示した。

「主に個人投資家主導だった前回のサイクルとは異なり、今回のサイクルでは機関投資家や企業の参入がはるかに増えている。これにより、市場はより健全なものになっている」と述べた。

さらに、バイナンスにおける今年の機関投資家顧客の新規登録数は9%増加したと明らかにした。

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