韓国企業、続々と日本へ投資
対外投資はここ数年で大きく変化した。半導体需要の増大を受け、サムスンやSKハイニックスが韓国工場を拡張すると日本企業が多額の投資を行い、2024年には18億700万ドルに達したが、2025年は8億5600万ドルに急減した。
一方、韓国企業による日本への直接投資は17億4600万ドルに増えている。食品大手のCJ第一製糖は千葉県に冷凍食品工場を建設し、外食分野では韓国発のマンモスコーヒーやフローズンヨーグルトブランドのヨアジョンが日本1号店を開業した。
ファッション分野でも、韓国のファッションプラットフォーム、ムシンサが公式ディストリビューションパートナーを務める「MATIN KIM(マーティンキム)」が東京・渋谷に日本初の常設店舗を開くなど、韓国企業の日本市場進出が目立っている。
「工場を新設するなら日本がいい」
韓国は人口5000万人と市場規模が大きくないうえ、多くの分野で寡占化が進んでいる。後発企業ほど頭打ちになりやすく、海外に活路を見出すが、その第一歩として多くの企業が日本を選択する。
日本の人口規模は1億2300万人と中国や米国より少ないが、経済環境が似ているうえ、外国企業に対する投資規制もない。日本で成功したら、その成果をもって米国や欧州を考えるし、万一、失敗しても損失が小さくて済む。
アジア市場に向けた製品の製造を目論む企業もある。ある化粧品メーカーの社長は「中国では同レベルの製品なら韓国製より日本製の方が高く売れる。工場を新設するなら日本がいい」と語っている。
対日赤字は韓国経済が拡大すると連動して膨らむことになる。旅行業界でも日本の存在は大きい。2019年、「ノージャパン」運動で日本路線の需要が急減し、さらにコロナ禍が追い打ちをかけたことで、イースター航空をはじめ多くの航空会社や旅行会社が経営危機に陥ったように、日本旅行は単にドル箱というだけでなく、韓国の旅行業界にとっては屋台骨として位置付けられている。
貿易赤字は韓国の輸出力と連動する。旅行赤字は韓国人の経済力、投資赤字も韓国企業の好調と連動する。日韓関係が良好に推移し、円安傾向が続く限り、この構図——貿易・旅行・投資のいずれでも韓国が対日フローで流出超過——は、当面変わることはないとみられる。
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