2つ目は、「Fラン」の代替として、若者を育てる機関を制度化するということです。現在、日本全国のサービス業の現場で外国人労働者が重宝されているのは、日本人なら受け入れがたいような低賃金で働くのは外国人だから、という単純な計算の結果ではありません。そうではなくて、最低賃金の少し上のゾーンで働く労働力については、日本人より外国人の方がスキルもモラルも上だからです。このゾーンでは、日本人労働力はコスパが悪いのです。
外国人が日本人から仕事を奪っているというような、欧米の世論を真似た印象論がありますが、実態は日本社会として現場労働者の生産性をうまく育てることができていないのです。仮に「Fラン」を大規模にカットしていくのであれば、そこで大卒グループから弾き出される若者をしっかり育てる受け皿が必要です。
例えば、最優先で考えるべきは高専の充実でしょう。圧倒的に不足している半導体人材などは、高専で分厚い層を生み出すべきであり、その際は「英語ができる理系人材」の育成が国力を左右することになると思います。観光や外食などの幹部候補を育てる教育機関も必要でしょう。福祉や保育の人材をレベルアップする仕組みの再構築も入ってくると思います。
ポスドク人材を中高の教員に
3番目は、学位のある人材を高校や中学の教員に回す政策です。大学数が減れば、大学における研究者のポジションも減ります。そもそも、ポスドク問題といって、高度な学位を取ってもなかなか就職がないというのが現状です。これを解決するため、また中高の公教育の内容を充実させるために、修士などを取った人材を中高の教師に登用するのです。
いわゆるギフテッドのような高度人材の卵は、大学などに飛び級させる方針が出ています。ですが、AIとグローバリズムが加速する時代には、天才ではないが高度な教養と実務力を持った「第2グループ」の充実は重要になってきます。この部分を営利目的の塾産業から公教育に取り戻して、質の高い教育を行うことは国力に直結します。そのためには、中高における院卒教員の登用はカギを握る政策になると思います。
とにかく、大学数を絞るのであれば、優秀な研究者を上位校でスカウトする仕組みを作り、同時に高専などの充実で若者を支え、さらには院卒人材を中高の教育現場に送る、この3つの政策を組み合わせるべきです。そのように全体像を見渡した政策を取ることで、コスト削減と、教育や研究活動の全体のアウトプットの向上を両立させることが何としても必要だと思います。
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