<人口減少のなかで合理化は必要だが、同時に日本社会が対処しなければならない課題もある>
以前からネット世論の中には、いわゆる「Fラン大学」は税金のムダだから廃止すべきという主張がありました。ここへ来て、この種の議論を政府が取り上げるようになっています。
例えば財務省の審議会は、2040年までに少なくとも250校、私学の学部定員14万人程度を減らす必要があるという数値目標を提言しています。文部科学省も、これに反発はせず、規模の適正化は不可避という意見のようです。
確かに人口減少が続く中で、大学定員を維持し続けるのは非合理的です。競争力のない大学は不人気化して入試は全入となり、大学で四則計算を教えるような実態になっています。また、経営のために留学生獲得に躍起になる大学もあります。
現在の超円安は、民間の多国籍企業が空洞化を進めていることが主因ですが、海外の投資家からはやはりGDP比で200%を大幅に超える国家債務が円売りの口実となっています。ですから、対外的にも財政規律の姿勢は必要で、大学の削減のような具体的な政策を見せていくことに必然性はあります。
優秀な若手研究者が職を失う
ですが、大学については数を単に減らせば良いというものではありません。同時に3つの問題に配慮する必要があります。
1つは、若手研究者の処遇です。いわゆる「Fラン」に勤めているのなら、研究者も「Fラン」かというと、それは全く違います。年功序列人事で「上が詰まって」いる中で、辛うじて職を得ている優秀な研究者はたくさんいるのです。
仮に財務省の示すような「大学数の大幅削減」が進められた場合には、削減対象大学に勤務している若くて優秀な研究者について、思い切って主要大学や研究機関などが抜擢する必要があります。この点をしっかり政策として実行していかないと、優秀な若手研究者がさらに海外に流出するなど、国益が損なわれてしまいます。