Jonathan Spicer Iain Withers Marc Jones
[アンカラ/ロンドン 7日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のためトルコを訪れているカナダのカーニー首相は7日、新たな多国間の防衛支出金融機関「防衛・安全保障・レジリエンス銀行(DSRB)」に対し、アルバニアとベルギー、ギリシャ、ラトビア、ルクセンブルク、ルーマニア、トルコ、ウクライナの8カ国が参加を表明したと明らかにした。これによりカナダを含めた9カ国で設立を進める。
DSRBはカナダに本部を置き、最大で1000億ポンド(1340億ドル)の資金を調達して防衛力強化を目指す同盟・友好国向けに低利融資を提供する構想で、防衛産業への投資を促進し、生産能力の拡大を支援する。
カーニー氏は「DSRBは投資を呼び込み、防衛産業基盤を強化するとともに、カナダと同盟国がより危険で分断された世界の課題に対応する能力を確保する」と強調。カナダ政府はロシアによるウクライナ侵攻を受け、同盟国が防衛装備を迅速かつ大規模に生産する必要性が高まっているとしている。
参加国はそれぞれ国内手続きを進め、来年の業務開始を目指す。9カ国は共同声明で「DSRBは資金調達へのアクセス拡大や調達コストの引き下げを通じ、加盟国の産業能力拡充を支える」と述べた。
一方、現時点で参加を表明した主要7カ国(G7)はカナダのみで、資金力の面では課題も残る。英国やドイツはこれまで計画への距離を置いてきたが、カナダのアナンド外相はロイターに、今後も新規加盟国の参加を歓迎する考えを示した。
DSRBは最高格付け「トリプルA」の取得を目指し、防衛関連事業向けの低利融資に加え、民間銀行による融資を後押しする債務保証も提供する意向だ。
2024年に元NATO顧問や軍関係者、金融関係者らが提唱したこの構想は、ウクライナ戦争の長期化やロシアとの緊張、中国の軍備増強などを背景に、防衛支出の拡大を迫られるNATO加盟国や同盟国の需要に対応する狙いがある。
計画にはJPモルガン・チェース、ドイツ銀行、コメルツ銀行、INGのほか、カナダの大手金融機関も参加している。