病院経営が潤えば、好循環が生み出される未来へ
一番多いのはがん患者だ。すでに治療法がない患者を受診させ、「家族の相談だから治療費は発生しないはずだ」と言い張る家族や「ゾンビ」コーディネーターもいる。当然、セカンドオピニオンにもお金はかかる。よほど特殊な治療法を目指して日本に来るならともかく、衰弱した患者を無理に日本に連れてくるのはいかがなものかと思う。そのたびに、どうか残された大事な時間を無駄にしないでほしいと思ってしまう。(158〜159ページより)
冒頭で触れたように、医療ツーリズムは日本の医療を救う可能性があるというのが著者の基本的な考え方だ。それは、本書をしっかりと読み込めば十分に納得できることでもある。
その一方、海外から多くの患者を受け入れれば、これまでの日本では考えられなかったような「不適切な」患者も増えていく可能性があると危惧しているという(繰り返すが、これは差別的な意味ではない)。それは、苦境に喘ぐ日本の医療機関の崩壊につながっていくかもしれない。
とはいえ、明るいシナリオも残されていると著者は述べている。
日本の医療の先進性を活かし、医療ツーリズムを成功させることで病院経営が潤えば、人が育ち、投資を呼び、学問が発展し、それがさらに日本の医療の先進性を推し進め、広く世界からの患者数増を実現する――しかも健康保険制度を維持しながら、そんな好循環が生み出される未来だ。(200〜201ページより)
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