Hyeyoon Cho
[ソウル 30日 ロイター] - 韓国の人権団体、北朝鮮人権市民連合(NKHR)は30日、北朝鮮による制裁対象の石炭・鉱物輸出が国連の監視機能が停止する中で再び拡大していると指摘した。
NKHRは英調査団体「データ・デスク」と共同でまとめた報告書で、石炭などの貿易は2024年3月以降に加速していると指摘。この時期には、北朝鮮の制裁順守を監視する独立した国連専門家パネルの任期更新にロシアが拒否権を行使していた。
NKHRは衛星画像を用いて、主要5港湾で確認された大型船舶の数を集計。その結果、19年の783隻から25年は3756隻と、ほぼ5倍に増加した。集計対象は石炭だけでなく、鉄や武器など他の物品を運べる能力を持つ全ての貨物船を含む。
石炭輸出の主要拠点である西部の南浦港では、船舶の確認数が19年の554隻から25年には3000隻超に増え、最多となった。
また、制裁対象船舶が外国の港に寄港した回数は、国連の監視体制崩壊後により頻繁になり、19年の4回から昨年は最大25回に増加した。
石炭貿易はほぼ全て北朝鮮国防省の関連企業によって運営され、その収益は同国の鉱山と政治犯収容所を運営する軍と治安機関に振り向けられているという。
鉱山は政治犯や報酬を得ていない兵士、また朝鮮戦争後に帰還できなかった韓国軍捕虜の子孫らによって稼働していると報告書は指摘。世襲的な制度によって鉱山労働に閉じ込められた人々は推定で5万─8万人に上るとしている。
調査結果は、元収容者、北朝鮮からの脱北者、元政府関係者の計22人へのインタビューにも基づいている。北京にある北朝鮮の外交団はコメント要請に応じなかった。
国連は17年に北朝鮮の石炭輸出を禁止したが、韓国の国家情報院の推計では25年も約150万トンを出荷したとみられ、与党議員によると、その産地はロシア産と偽装されている疑いがあるという。